ハワイに行けないインスタユーザーへ。Hanalei Island IPA(Kona Brewing)/ビアエッセイストのゆるレビュー

インスタグラムが流行って久しい。

なんだかよくわからないけど、「インスタにはオシャレな写真をアップしなければならない」という不文律があり、猫も杓子もオシャレな画像を投稿している。かく言う僕も季節を感じる風景や海外のクラフトビールの写真なんかはインスタに投稿し、街で見かけたVOW(死語?)的な画像はTwitterにアップするなどインスタの聖域を守っている。

グルメ、絶景、ファッション、海…インスタ映えする要素は数あれど、それを一度に満たす最強スポットはやはりハワイではなかろうか。ハワイに身を置いたインスタユーザーは、おそらく体が虹色に点滅している(近付いたら音楽まで聞こえるに違いない)。

が、そうそう何度もハワイになんて行けるものではない。スター状態は長くは続かない。そこでおすすめしたいのが、ハワイのクラフトビール。特にKona Brewingのビールはイラストのラベルがキュートで個人的にイチオシ。

今回はそんなKona Brewingが定番に加えて新たにリリースしたHanalei Island IPAをいただいてみた。ハンバーガーショップのKUA`AINAでは春先から販売されているので、もう楽しんだ人もいるかもしれない。

ラベルは今回も世界観のあるイラスト。ハナレイ湾をカヤックで進むカップルの情景がノスタルジックに描かれている。見落としがちだけどイラストの上にはエンボス加工されたハワイ諸島の地図も刻まれていて、そのディテールの細かさに飲む前から期待が高まる。

このビール、特徴は副原料にある。なんとパッションフルーツ、オレンジ、グアバの果汁が揃って入っている。なんでもこの3つの果物は相性が良く、頭文字を取った「POGジュース」というのがハワイでは一般的なのだとか。グラスに注ぐと、パッションフルーツの香りがかなり強い。さあ、実飲…。

トロピカル美味い!
香りはパッションフルーツなのだけど、グアバの風味もオレンジの苦みもはっきり感じられる。IPAとは名乗っているけど、フルーツラガーという印象である。

個人的に僕は「パッションフルーツ」という果物に全幅の信頼を置いているところがある。他の果物だと「本当に美味しいの?」などと疑問を感じるときがあるのだけど、パッションフルーツに関しては疑問を感じることがない。説明文などで「パッションフルーツの香りがします」とか書かれていると、「ああ、絶対にいい香りなんだろうな」と思ってしまう。

ただ、こうした香りを主原料であるホップではなく、副原料に頼ってつくることについては賛否両論あるかもしれない。現に「このビールにはどんなホップが使われているのだろう?」と考える余地はない。ただただ、トロピカルスメルが漂うのだ。ちなみに言うと僕は、「どっちでもよくね?」という深遠なる立場を堅持している。

どんなシチュエーションに似合うだろう?と考えてみたけど、やっぱり青空の下、ビーチで飲み干したい。「ビールは絶対にグラスに注ぐべし!」という頑なな思想もあるしそれもわかるけど、わざわざグラスを持ってビーチになんて出たくない。瓶だけ持って繰り出し、遠慮なくラッパ飲みすればいいと思う。なぜなら僕は、「別にグラスに注いでも注がなくても、どっちでもよくね?」という深遠なる立場を堅持しているからである。

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矢野 竜広
フリーライター、ビアエッセイスト。1980年生まれ。東京文京区出身。大学卒業後、広告制作会社勤務のコピーライター、事務所所属の構成作家を経て2013年、妻の故郷である鳥取県に移住。ビール好きが高じてブログ『ビアエッセイ・ドットコム』を主宰するだけでなく、自宅にビールサーバー&ビアバー風秘密基地を設置、地ビール会社にも勤務。ノンフィクションの本と一人旅を偏愛する2男児の父。子育てが落ち着いたら、年10回ペースで海外へ取材旅行に出かける生活を熱望している。