ヤッホーブルーイング、日ハム新球場内にビール醸造レストラン「そらとしば by よなよなエール」開業へ

長野県に拠点を置く株式会社ヤッホーブルーイングと株式会社ファイターズスポーツ&エンターテイメントは3月10日、2023年3月開業予定で日本プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地となる新球場「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールド北海道)」にて、ビール醸造レストラン事業を展開することを発表した。

発表会ではファイターズスポーツ&エンターテイメント取締役事業統轄本部長の前沢賢氏がボール、ヤッホーブルーイング代表取締役社長の井出直行氏がビールのコスチュームで登場し、レストラン運営のコンセプトや今後の展望について語った。

クラフトビール醸造レストラン「そらとしば」記者発表会
左:前沢賢氏、右:井出直行氏

北海道に誕生する画期的な新球場「エスコンフィールド北海道」

開閉式の屋根で天然芝、35,000人の収容能力を持つ「エスコンフィールド北海道」は、北海道ボールパークFビレッジ内に建設。約32ヘクタールという広大なパークの敷地内に保育園、農園、メディカルモール、マンションなどを併設する。球場のレフト側にできる5階建てのビル「TOWER11(タワーイレブン)」には天然温泉やサウナ、宿泊施設を備え、サウナやホテルの自室からも野球を観戦できる。

Fビレッジのコンセプトは「PLAY HUMAN.」。あらゆる世代の人たちが集い、リビングのように居心地がよい、「世界で一番ウェルビーイングな場所」を目指す。

前沢氏は「北海道の自然をテコに野球の興味があるなしに関係なく、多種多様な方々が集えるエリアとして世界77億人のマーケットに切り込んでいきたい」と抱負を語った。

ヤッホーブルーイングはビールを中心としたエンターテインメント事業

1997年創業のヤッホーブルーイングは「ビールに味を!人生に幸せを!」をミッションとする。「よなよなエール」を看板製品とし、国内に500社以上あるクラフトビールのブルワリーの中でトップシェアを誇る。これまでに東京・お台場の公園を貸し切ったイベントや醸造所見学ツアーなども実施し、コロナ禍でも売上を伸ばした。

井手氏は「メインの事業は、ビール事業ではなく、ビールを中心としたエンターテイメント事業という言い方をしています。東京ディズニーランドや劇団四季などを競合だと考えています」と話した。

世界初!バックスクリーンにクラフトビール醸造レストラン

今回オープンするレストランは球場のほぼ中央、フィールドを一望できるバックスクリーン付近に設置。北海道の開放的な空と緑鮮やかな天然芝のイメージから店名を「そらとしば by よなよなエール」と命名した。

席数は約180席を用意。店内の醸造所ではオリジナルのクラフトビールを製造し、フードはテイクアウトも可能。店内の醸造所の見学ツアーやビールイベントなどの開催を予定している。試合がない日も入場可能だ。

店内ファサードからのイメージ ©H.N.F.
店内ファサードからのイメージ ©H.N.F.

井出氏は「ルーフトップ席で開放的にビールを楽しめます。“ほどよい高揚感”と“あずましさ(北海道の方言で「心地よさ」)”を感じられるブルワリーを目指します」とアピールした。

ルーフトップのイメージ ©H.N.F.
ルーフトップのイメージ ©H.N.F.

プロ野球球団とクラフトビールメーカーのファーストインプレッション

前沢氏はヤッホーブルーイングの第一印象を「変わった会社だなというのはすごく感じました。我々のような“野球”という保守的な業界と一緒に取り組んでくれることで、いろいろなパワーを与えてくれるのではないか。我々のリミッターを外してくれる存在になってくれるのではないかと思いました」と語った。一方、井出氏は「我々と似た部分があるような気がしました。ファイターズさんは新庄(剛志)監督の登場など、ほかの球団と違う驚くようなことをやられている。我々が単独では絶対できない壮大なことをやってくれるパートナーとして期待しています」と話した。

さらに前沢氏は「井手社長が話しているのは、商品がおいしいかどうかよりも、どのような体験価値を提供できるか。野球も体験価値の提供という点で、似ているなと思いました」と切り出すと、井手氏は「最初は球場のオリジナルビールを造ってほしいとお話をいただきました。ただ、それだけでは私たちの強みを発揮できないと思いました。そこで、ビールを飲んでいただくだけではなく北海道の地域を楽しんでいただけるような活動にしたいと提案させていただき、それを受け止めていただきました」と協業に至るまでを振り返った。

今後の展開

今後の展開について前沢氏は「この球場では、子どもや子育て世代にもこだわっていきたいです。一見ビールと子どもは隣接しないように思えますが、“そらとしば”のとなりにはキッズエリアもあり、大人も子どもも楽しめる取り組みができればと思っています。よなよなエールを飲めば飲むほど、子どもに還元されるような仕組みも取り入れられたらと考えています」と回答。井出氏は「北海道を訪れるすべての方に“そらとしば”に来るしかないと思っていただきたいです。全力で、今は想像もつかないようなことをやっていきたい。期待していてください」と語った。

画像クレジット ©H.N.F.

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梶原誠司

1975年生まれ。神奈川県横浜市出身。好きなビールは横浜スタジアムのベイスターズラガー。好きな野球チームは横浜DeNAベイスターズ。贔屓のチームが勝てば美酒。負ければほろ苦いビール。ビールが先なのか。野球が先なのか。正直、そんなことはどうでもいい。それくらい、球場で飲むビールが好き。

よなよなの里