【水道橋】東京ドームシティ「箱舟」でビール×シビ辛アジア飯!レッツビアワークスとカンパイ!ブルーイング、コラボの理由

東京ドームシティ「箱舟」

水道橋「東京ドームシティ」に、クラフトビールとアジア飯が楽しめるビアバー「箱舟」がオープン!
東京を拠点にするブルワリー、カンパイ!ブルーイング(文京区)とLet’s Beer Works(北区)が共同で新会社を設立し出店したこのお店。2つの醸造所がコラボした理由は? 「箱舟」のハウスビールや超シビ辛なアジア飯を堪能しながら、代表のお2人にお話を聞きました。

カンパイ!ブルーイングとLet’s Beer Works、2ブルワリーのコラボ店がオープン

「箱舟」は、JR水道橋駅東口から徒歩約3分、都営地下鉄三田線水道橋駅から徒歩約1分、東京メトロ後楽園駅からも徒歩圏。「東京ドーム」や「東京ドームホテル」、温浴施設「スパ ラクーア」、各種アミューズメント施設などなどを擁するエンタテインメントエリア「東京ドームシティ」内にあります。

東京ドームシティ「箱舟」
「箱舟」は「東京ドームシティ」内、多機能ホール「TOKYO DOME CITY HALL」の目の前。JR線・都営地下鉄三田線水道橋駅から至近
東京ドームシティ「箱舟」
「箱舟」は“トレーラー店舗”で、平屋の一軒家のような個性的な外観

「東京ドームシティ」の大規模リニューアルにともなって、2024年9月にオープン。一戸建てのような外観の“トレーラー店舗”で、屋上には眺めのいいテラス席が設けられています。

レッツカンパイ株式会社
レッツ・カンパイ株式会社 代表取締役/CEOの2人。阿川裕子さん(左)、荒井祥郎さん(右)

「箱舟」は、東京都文京区のブルワリー、カンパイ!ブルーイング(株式会社グランブルー)代表取締役/醸造責任者の荒井祥郎さんと、東京都北区のブルワリー、Let’s Beer WorksのFounder/CEO阿川裕子さんが代表を務める、レッツ・カンパイ株式会社が運営しています。

カンパイ!ブルーイングが醸造を開始したのが2019年。その後2020年にLet’s Beer Worksがスタートする際、阿川さんをはじめLet’s Beer Worksの創業メンバーが荒井さんに醸造免許の申請手続きなどについて相談を持ち掛けたのがきっかけで両ブルワリーの交流がはじまりました。
今回、共同で新会社を造り「箱舟」をオープンさせた理由は?

東京ドームシティ「箱舟」
11時30分からオープン!平日はランチメニューも。 ビールもフードも持ち帰りができる

「うちは醸造所の片隅で週末にタップルームを開いているんですが、そこはちょっとしたおつまみを出すだけで、飲食店としては営業していないんです。ビールを醸造しながら飲食店も経営するというのはなかなか大変なことです。荒井さんも私たちもビールを造るのに専念して、お付き合いのあるお店に納品するのが基本でした。
でもありがたいことに“Let’s Beer Worksのビールはどこのお店で飲めますか?”と聞かれることがだんだん増えてきたので、そろそろちゃんと自分たちで飲食店をやりたいね、と話していたんです」(阿川さん)

「阿川さんやLet’s Beer Worksのメンバーとは以前からよくコミュニケーションをとっていて、ゆくゆくはお互いに自分のお店が欲しいという話をしていました。カンパイ!ブルーイングは醸造所の建物の1階がお店になっているんですが、僕はビールを提供しているだけなので。
少し前に『東京ドームシティ』を大規模リニューアルするという情報をいただいて、出店に意欲を持ちました。でも、カンパイ!ブルーイングは僕1人でやっているんでうちだけでは手に負えない。そうだ、Let’s Beer Worksさんがお店をやりたがっていたから一緒にどうだろう、ということでお声がけをしたら、ぜひ! というお返事でした」(荒井さん)

クラフトビールの世界に漕ぎだす、「箱舟」

「箱舟」という店名には、いくつかの意味が込められています。

店が立地する場所はもとは川が流れていて、かつてはエリア一帯で水運が発達していたそう。そこに箱のような外観のトレーラー店舗が建ったことで、水に浮かぶ箱の舟をイメージしたのが名前の由来の1つ。

東京ドームシティ「箱舟」
確かに、お店の見た目は箱のよう……
東京ドームシティ「箱舟」内観
店内はガラス張り!

さらに、「東京ドームシティ」は「東京ドーム」で行われるスポーツやライブなどの各種イベント来場者をはじめ、さまざまな属性の人が集まるロケーション。
「たぶんこのお店は、クラフトビールが好きな人たちばかりが来店する店ではなくて、イベントなどでたまたまここに来て、たまたま入る店になる可能性が高いと思ったんです。この店でクラフトビールをはじめて口にする人に、“あ、クラフトビールっておいしい”と思ってもらって、クラフトビールの世界に漕ぎだしてもらえるように、という思いも込めています」(荒井さん)

「私たちはブルワリーなので、ビールを造って、『東京ドームシティ』にビールを“運ぶね!(はこぶね)”という意味も。ダジャレです……」(阿川さん)

東京ドームシティ「箱舟」
夜はテラス席からアトラクションエリアの夜景を見ながらビールが飲める

「箱舟」のハウスビールをはじめ、東京ローカルなクラフトビールを提供

「箱舟」では、はこぶねブランドのハウスビールと、カンパイ!ブルーイング、Let’s Beer Worksのビール、そしてゲストビール、計9Tapのドラフトビールを提供しています。

「箱舟」タップリスト
9Tapのうち、ハウスビールが数種類ラインナップ
※写真は 2024年11月のタップリスト。提供するビールの種類は随時変わります

この日(2024年11月下旬)のタップリストには3種類のハウスビールがラインナップ。ハウスビールは、カンパイ!ブルーイング・Let’s Beer Works両ブルワリーが分担して醸造。「この3種類は、ビールの入り口として“軽くて飲みやすい”をテーマに造ったビールです」と荒井さん。

はこぶねセッション
Let’s Beer Works「はこぶねセッション」(Session IPA)

「はこぶねセッション」(Session IPA)の醸造はLet’s Beer Worksが担当。クラフトビールをよく飲む人はアルコール度数の高い液種も飲み慣れていますが、日ごろ度数4.5%~5%ほどの大手のビールを飲んでいる方も飲みやすいように、アルコール度数を低め(4.0%)に調整したSession IPA。オレンジのような柑橘の香りや、後味にはパイナップルのような風味も感じられる1杯です。

「はこぶねピルス」
カンパイ!ブルーイング「はこぶねピルス」(Italian Pilsner)

「はこぶねピルス」(Italian Pilsner)と「はこぶねホワイト」(Belgian Wit)は、カンパイ!ブルーイングが醸造しました。

「『はこぶねピルス』はイタリアンピルスナーで、“軽くて飲みやすい”とは言っても、一般的なジャーマンピルスナーよりは若干ホップの香りが強く出ているかもしれません。『はこぶねホワイト』は、苦味が苦手な方に向けて、ほぼ苦くないスタイルということで造りました」(荒井さん)。

「ハウスビールは、クラフトビールをはじめて飲む方やどう選んだらいいかわからないお客様のために、飲みやすさであったり、味わいやスタイル等が伝わりやすい・わかりやすいビールをつなげるようにしています。でも今、こちらの想像以上にクラフトビールに深い興味をもっている方も多く来店されているので、まだ探り探りですが今後ちょっと変わったものも出していこうかなと考えています」(阿川さん)

「箱舟」店内
ゲストビールは東京ローカルなセレクション

ゲストビールは東京都内のブルワリーからセレクト。この日はKUNITACHI BREWERY(国立市)やSAKAMICHI BREWING(立川市)のビールがつながっていました。「東京ドームシティ」内にはホテルがありインバウンド客も多いため、海外の方に東京ローカルのおいしいビールを紹介する場にしたいという思いも。

容赦なく辛い!!アジア飯

フードはビールがすすむアジア飯がオンメニュー。もともと、荒井さんがビールイベントなどで自らアジア系の料理を調理して振舞ってきた流れでメニューの方向性が決まりました。おつまみだけでなく、しっかり食べられる食事系メニューもあり!

酸辣拌麺
酸っぱくて辛い混ぜ麺、「酸辣拌麺」。細めの麺の食感や風味が◎
「箱舟」フード
特製のラー油はシビ辛! 3種類の唐辛子や花椒を使用

この日オーダーしたのは、荒井さんがレシピを考案した「酸辣拌麺」(サンラーバンメン)。味わいの決め手となるラー油は、香り・辛味・甘味を出す3種類の唐辛子をブレンドして、荒井さんが手造りしています(!)。花椒のシビれるような辛さもあって、容赦なく辛い! 

「箱舟」フードメニュー
おつまみから食事系まで、アジア飯のメニューはいろいろ!

ほかに台湾料理店「also」とコラボした「台湾唐揚げ」なども人気メニュー。
平日限定のランチセットは、「酸辣拌麺」または「ルーロー飯」に小皿料理とスープ付き、ハウスビールもセット価格でお得に飲めます。

スタッフ自家製のソフトドリンクも要チェック

「箱舟」は、ノンアルコールドリンクもクラフト仕様です。スタッフがシロップを自家製した本格クラフトコーラ、クラフトジンジャーエール、クラフトレモネードやクラフトレモンスカッシュがオーダーできます。 自家製シロップをお湯で割ったホットドリンクや、自家製シロップとアルコールを合わせたサワー、アジア飯と相性の良い中国茶(凍頂烏龍茶・茉莉花茶・普洱茶)、クリームソーダもラインナップ。

「箱舟」ノンアルコールドリンク
左からクラフトコーラ、クラフトレモンスカッシュ、クラフトジンジャーエール
「箱舟」店内
ソフトドリンクのシロップはスタッフの手造り! スタッフのぱちぇさん(写真左)は「東京ドームシティ」からほど近い本郷のビアバー「CRAFT WORKS」でも勤務。関口さん(写真右)は、「箱舟」と同じ文京区内にあるブルーイング&ビアスタンド「日ノモトブルーイング」のスタッフでもある。店舗スタッフはフードメニューを考案することも

ビールの合間にノンアルコールドリンクを楽しむのも良いかも。アルコールが苦手なメンバーがいる場合も、店選びの選択肢に入れられるお店です。

麦芽粕を使ったスナック「BEER CHIPS」をおつまみに!

食事するほどではないけれど軽いおつまみが欲しいな、という時にぴったりなのが、「BEER CHIPS」。ビール醸造の過程で出る副産物・麦芽粕(モルト粕、ビール粕)を原料にした、パリパリ食感のスナックです。

「BEER CHIPS」
「BEER CHIPS」は“ビール生まれの、麦芽のおつまみ”。2種類の展開(2024年12月現在)
BEER CHIPS 香ばし醤油
「BEER CHIPS 香ばし醤油」(写真)は、Let’s Beer Worksの麦芽粕が原料。極薄・パリパリ食感で黒ゴマ入り。醤油と味噌の和テイスト

「BEER CHIPS 香ばし醤油」はLet’s Beer Worksの麦芽粕を使用し、醤油と味噌で味付け。黒ゴマがたっぷり入っています。「BEER CHIPS トムヤムクン」はカンパイ!ブルーイングの麦芽粕を使用。パクチー、レモングラスなどタイ料理に欠かせない香味野菜を使っていて、エスニックな味わいです。

ビールを通じたコミュニケーションの場に

今後は席の予約をとれるようにしたり、貸し切り利用なども検討。イベントも企画していきたいとのこと。

「今後は地元に住んでいる人や周辺の会社に勤めている方にもお店を知ってもらいたいですね。人が集まる場所にすることで、賑わいを造り出したいです」(荒井さん)

「『箱舟』でクラフトビールを楽しんでいただきたいです。ビールを通じたコミュニケーション、出会いの場にもなっていってほしいと思っています」(阿川さん)

東京ドームシティ_箱舟

年の瀬、年初には「東京ドームシティ」でのイベントも盛りだくさんです。「箱舟」は基本、年中無休。2024年の年末年始は、大晦日と元旦も営業(1月2日と7日はお休み)。ホリデーシーズン・忘年会・新年会に、クラフトビール×アジア飯を楽しんでみては?

「箱舟」
住所:
〒112-0004
東京都文京区後楽1-3-61 東京ドームシティ
営業時間:11:30~22:30(ラストオーダー、料理21:30ドリンク22:00)
定休日:なし
※支払いはキャッシュレスのみ
※お出掛け前に、SNS等で営業状況をご確認ください!

【関連サイト】
「箱舟」ホームページ
「箱庭」インスタグラム

Let’s Beer Works インスタグラム

カンパイ!ブルーイング インスタグラム

The following two tabs change content below.

のび子

日本文化にまつわる分冊百科の編集担当を経て、料理専門誌編集部へ。食のサステナビリティ、クラフトビールが生み出す地域のコミュニティ・資源循環を取材。超少食だが酒はわりと強い。

よなよなの里