家飲みがすっかり定着してきた昨今。仲間や家族が集まる機会に、みんなでおいしいクラフトビールを楽しめたら最高ですよね。
今回は、ちょっとした会合や飲み会などで喜ばれそうな樽ビールの産直お取り寄せを体験してみました! パーティーで出すドリンクに迷っている方、クラフトビールで飲み会を盛り上げたい方、もちろん、日常の家飲みを楽しみたい方も必見のレポートです。
クラフトビールで飲み会を盛り上げたい!産直の樽ビールってどうなの?
ホームパーティーやミーティングなど人が集まる場でクラフトビールを楽しみたい時、ボトルや缶で買ってきたり、ご近所のブルワリーでグラウラーに詰めてもらったりしてみんなでシェアするのもいいですが、ビアサーバーがあったらぐっと盛り上がると思いませんか?
最近、ビールとビアサーバーをセットにして提供する通販サービスがいくつか立ち上がっています。「My CRAFT BEER」編集部では、スポット的な飲み会やパーティーなどでクラフトビールを楽しむために最適なプランはどれだろう? と各社のサービス内容を調べて検討してみました。そこで名前が挙がったのが、サブスクではなく、買いたい時にその都度選んでオーダーするタイプのクラフトビールの産直通販サービス「ビールの縁側」。
今回は、「ビールの縁側」を実体験。年末に編集部や他部署スタッフ数人がオフィスに集まるタイミングに合わせてオーダーし、飲み会を開催しました! 注文から荷物の受け取り、飲み会での反響、容器の後片付けまでみっちりレポートします。
お取り寄せして体験レポート!「ビールの縁側」とは?
「ビールの縁側」は、2021年4月に本格始動した新しいサービス。全国のクラフトビールブルワリーと消費者をつなぐ、産地直送の通販プラットフォームです。
オーダーしたクラフトビールは「ビールの縁側」の専用樽「飲ん樽(のんだる)」で届きます。特殊なフィルムで作られたインナーバック(内袋)にビールが充填されていて、中のガスを逃さず酸素に触れにくい。一般に普及している鮮度保持のお醤油容器のような構造で、ビールの鮮度が長くキープされます。
この「飲ん樽」に専用のポンプをつけてサーバーとして利用。空気圧でビールを注ぐので、電気も炭酸ガスカートリッジも不要で、場所を選ばずビールをサーブできます。また、無料の会員登録をするだけで欲しい時にその都度ビールを購入できるので、季節の行事や記念日などの特別な日に、スポット的にオーダーするのに好都合なんです。
ではさっそく、体験レポートをスタートしましょう!
どれにする?ビールをセレクト、出荷日も確認
まずはオーダーから。登録ブルワリーやビールのスタイルが多いのは魅力ですが、選ぶとなるとかなり迷います。今回の飲み会のロケーションはオフィス内。クラフトビールが大好きな人もいれば、そもそもビールはそんなに好きじゃないという人もひょっこり参加する可能性があり、アルコールに強い人も弱い人もいる。そんなことを踏まえて探してみました。
ビールスタイルは、多くの人が飲みなれているピルスナーか、アルコール度数低めのセッションIPAにしぼり、「ビールの縁側」サイト左のメニューバーにある「クラフトビールを買う」→「種類から探す」で出てきたリストのなかから選ぶことに。スタイル別のランキングなども参考にしながら、ブルワリーによる紹介文を読んだり、「味わいチャート」も参照しました。
味やブルワリーの解説に加え、かなり重視したのは出荷日です。運用は各ブルワリーにゆだねられているので「ご注文から3営業日以内」に出荷、というものもあれば「ご注文から約1週間後」に出荷というケースもあってまちまち。それも、あくまで出荷日なのでこちらに届く日程はまた別です。飲み会の予定日に間に合わせるためにはちゃんとチェックして、余裕をもってオーダーしましょう!
ついでに、はじめて利用する場合は専用ポンプも前もって注文しておきたいところです。ポンプがないと、ビールが注げません。
いろいろ検討した結果、「タンク直詰め」というキャッチフレーズに惹かれ、横浜のブルワリーNumber Nine Breweryの「QUAYS Pilsner」が最終候補に。国産ホップを使ったピルスナーで、アルコール度数は4%と低め。出荷日は「ご注文から1週間以内に発送」と日程的にもちょうどよかったので、このビールの3リットルサイズを注文しました。
ビールとポンプが到着!
注文後数日で、ブルワリーから直接「出荷しました」とのメールが。荷物の番号も記載され、受け取り日時を指定したい場合は宅配便業者とやりとりして調整します。
メールの翌日に冷蔵便でビールが到着。すぐに冷蔵庫に入れました。前述したようにブルワリーによって出荷日が違い、季節やその時の繁忙状況、配送業者によっても事情が異なってきますが、今回のケースについては注文から1週間以内でビールを受け取ることができました。
冷蔵庫に入れるといっても、庫内のプラスチックの棚にのせて大丈夫? 重くて棚が割れてしまわない? と心配な方、いませんか。3リットルの「飲ん樽」の重さは650グラム、5リットルは880グラムだそう。例えば3リットルの樽の場合、棚にかかる重さは、1.5リットルのペットボトル飲料2本分の重量プラス650グラム、といった目安です(ビールによって重さに微妙な違いがあるため、正確な重量は明記不可)。ちなみに、当オフィス内の冷蔵庫では問題なく保存できました。
各家庭・オフィスの冷蔵庫の空き具合にもよりますが、サイズ的には横に倒せばすっきり収納できます。
専用ポンプも別便で到着。これでビールをサーブするための準備が整いました。ビールの樽は飲み会当日まで冷蔵庫で保管して待機します。
はじめてのセッティング!専用ポンプを取り付け
飲み会当日を迎えました! 樽に専用ポンプを取り付けてセッティングします。セッティング方法は「ビールの縁側」公式サイトの飲ん樽(専用樽)ポンプの使い方ページに詳しく解説されていて、動画もあるので要参照。ここではざっくりした流れを実況レポートしながら、実際使ってみた感触や、後から知った失敗案件などご紹介します……
まずは専用ポンプにノズルを差し込みます。単純なことなのですが、実は編集部はここで失敗していて、そのことに後で気づきます……。樽のヘッド部分の薄い透明なカバーも外して準備。
ポンプと樽の赤いしるしの位置を合わせてはめ、青いしるしの位置まで時計回りに回します。回す角度はほんの少しですが、ちょっと力がいるかな、という感じ。回すとポンプが固定されます。
ポンプを上下させて、空気を注入
樽とポンプがセッティングできたら、ポンプを上下させて空気を注入します。これも単純なことなのですが、最初にツマミ部分を持ち上げてから、上下させます。一度持ち上げる、という工程が一瞬わからなくて戸惑いました。
ビールを一杯注ぐごとにポンプを数回上下させて、マメに空気を注入した方が注ぎやすいです。
ビールを注ぎます!
ではではビールを注ぎます! ハンドルを軽く手前に倒せばOKです。
ビールを注ぎ終わったら、ノズルに残ったビールを指ではじいて落とし、ノズルの向きが上になるように回して、液だれを防ぎます。とはいえ何杯か注いでいる間にどうしても液だれしてしまったりするので、ノズルの下にはその受け皿として布巾やトレーがあった方がベター。
ちょっとビールの出が悪い……。そういう場合は再度ポンプを上下させて空気を注入し、圧力をかければしっかり出るはずなのですが、この時はそれをやっても流量が少ないと感じました。
後日わかった事ですが、ポンプに付属しているノズルには2種類あり、一方は普通のノズル、もう一方は泡が出過ぎる場合に使う「泡調整用ノズル」だったんです。当日使っていたのは「泡調整用ノズル」で、流量を制限する仕組みになっていて、ビールの出が悪かったんですね。ノズルはよく見て取り付けましょう!
ふわっと香る華やかなアロマ、超スッキリなピルスナー
ビールの準備が整ったところで、メンバーを呼んで飲み会がはじまりました!
テーブルに置いた樽を見て、「これなんですか?」と興味を持ってくれる方も。各自で注いでもらって、アトラクション的な楽しさもシェアできます。
Number Nine Brewery「QUAYS Pilsner」の味わいは、超・超すっきり。IBUは40ですが苦味はきつくなく、軽快な喉ごし。フレッシュさはもちろん申し分なし。泡も炭酸もしっかり。ビールを注いだ瞬間からふわっとやさしいアロマが広がって、丁寧に造られたクラフトビールならではの繊細な風味を満喫できました。飲み会の場には、ビールはあまり好きではないという方もいましたが、これなら飲めると好評価。
ビアギーグばかりが集合するイベントではもっと個性的なセレクトもありですが、いろんな趣向の方が集まる場では、一般的に飲まれているピルスナーを選択するのも悪くないかもしれません。
おすすめおつまみもチェック
この日のおつまみもご紹介。「ビールの縁側」サイトの各ビールの情報欄には、ペアリングのヒントが書かれているものもあり、Number Nine Brewery「QUAYS Pilsner」のページには「お肉料理との相性も抜群」とあったので、おつまみはお肉系の物をメインにしました。
用意したのはフランスの小粒サラミ「LOSTE」。伝統的な製法で造られたサラミで、白カビから生み出される旨味が絶妙にお酒に合います。包丁を使って切ったりする手間もいらず、お皿に並べるだけで提供できるのも便利。
おつまみどうしようかな、と迷った時には「ビールの縁側」の各ビールの情報欄を活用すると楽です。
ビールが残ったら冷蔵庫へ、保存にはコツがあります!
飲み会終了! ビールを飲みきってしまえばいいのですが、そんなにうまくは調整できず。ビールは少し余りました。「飲ん樽」のビールは開封後もしばらく保存ができるということなので、冷蔵庫で保管することに。
ここで重要なポイント。必ず、必ず、ポンプを外す前に、ポンプを上下してしっかり空気を注入しておきます。この時、編集部ではこのポイントを知らなかったので後悔することに……
空気をしっかり注入したら、ポンプを反時計回りに回して外します。ノズルと、ポンプの本体下部(樽と接していた部分)、「飲ん樽」のヘッド部分を水洗いし、食品対応のアルコールで除菌。樽は冷蔵庫で冷やします。
飲み会の翌々日、冷蔵庫に保管しておいたビールに再度ポンプを付けて飲んでみると、泡はしっかり出て炭酸もありますが開封したての状態に比べるとちょっと気が抜けた感じ。これは、空気を入れてから保存する、という大事なポイントを知らずに冷蔵庫に放置したことが原因です。
その後、しっかり空気を入れてからまた冷蔵庫に入れると、そこから先は劣化がありませんでした。今回は数日で飲みきってしまいましたが、ポイントを押さえていれば、品質を保持したまま長期保存も可能だとか(ビールの種類や保存状態によって、状況は異なります)。
飲みきったら、樽は分解して廃棄
ビールを飲み終わったら、容器廃棄の準備。「飲ん樽」を分解します。ポンプは次回利用のために洗って除菌して保管です。
まずはポンプを樽に取り付け、樽に「樽の解体(廃棄時)」と記載がある通りに反時計回りにポンプをぐるぐる回します。ある程度ゆるんだらポンプははずして手で回し、樽のヘッド部分を取り外します。すると、中から真空状態になったインナーバックが出てくる、のですが、取り出し口に対してバックが大き目でなかなか出てこない! 樽をしっかり固定してじわじわと引き出し、最後は引っこ抜く感じでとり出しました。
樽本体は、側面のラベルを剥いてしまえば簡単に2つに分解されます。
樽の上部(取っ手部分)、樽下部(本体)、インナーバックは、各自治体の定める方法に従って処理します。正直なところ、非常にしっかりした造りで、再利用できないのがもったいという印象は否めないのですが。廃棄する際は分解して、ルールにのっとってゴミに出しましょう。
全国のクラフトビールが味わえ、会合を楽しく演出できる樽ビール!
全国のクラフトビールを産地直送で、樽で買える「ビールの縁側」。専用の「飲ん樽」を使ってみて、飲み会の場での話題の1つにできるな、と感じました。ポンプで空気を入れてビールを注ぐこと自体を、イベント的に楽しむことができました。
サブスクではないので、1回試しに買ってみる、特別な日のために用意する、という使い方ができるのも◎。年末年始の集まりを盛り上げるアイテムとして、「ビールの縁側」を選択肢に入れてみるのはなかなかいい企画かもしれないです。ビール好きの方へのお歳暮や新年の贈り物にしても喜ばれそう。産地直送の樽ビールで、日本各地のクラフトビールをもっと多様に楽しみましょう!
【関連サイト】
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