ディレイラブリューワークスのクラフトビールが「ソーシャルプロダクツ・アワード2021」でソーシャルプロダクツ賞を受賞

株式会社シクロが自社で製造・販売するクラフトビールが、「ソーシャルプロダクツ・アワード2021」でソーシャルプロダクツ賞を受賞しました。

株式会社シクロは、大阪で朝から酒を楽しむ街として知られる西成区で、ブルワリー「Derailleur Brew Works(ディレイラブリューワークス)」を運営しています。介護医療事業や就労支援事業も営む代表の山崎さんが、「障がいをお持ちの方たちも働ける場所に」と2017年11月にオープン。ブルワリーの名前には、フランス語で「道を外す者=生き方を自分で選ぶ者」を意味する「ディレイラ」を冠し、西成で培ってきた人とのつながりを活かして、障害のある方とともに、常識にとらわれないビール作りに取り組んでいます。

展開しているクラフトビールは、それぞれにアートの視点とオリジナルのストーリーを持たせ、一つの作品として新たなスタイルを確立しており、そのラインナップは30種類以上にのぼります。たとえば、1990年代に焦点を当て、当時西成で起こっていた暴動を意味する「西成ライオットエール」をはじめ、ブラウンストロングエールの「けものみちIN THE WOODS」、ペールエールの「我はカモメ恋に鳴く」、 ベルジャンIPA「DELTA PARK FIGHT CLUB」、人気映画をもじった「ESTAR WARDS」など、個性あふれる作品ばかりです。

ソーシャルプロダクツ・アワード(SPA)は、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催する、持続可能な社会の実現につながる優れた「ソーシャルプロダクツ」に光をあて、社会性と商品性の両面を評価する日本ではじめての表彰制度です。対象となるのは、食品やアパレル・雑貨から、住宅、旅行、金融商品にいたるまで、なんらかの社会性を持つ一般生活者向けの商品とサービスです。

SPAは2012年の秋にスタートし、今回で8回目。2021年の年度テーマは「障害者の生きがいや働きがいにつながる商品・サービス」、自由テーマは「生活者が持続可能な社会づくりに参加できる商品・サービス」とし、エコやオーガニック、フェアトレード、寄付、地域の活力向上、伝統の継承・保存、障害者支援、復興支援などに関連する人や地球にやさしい商品・サービスが対象となりました。そして今回、それらのテーマとSPAが掲げる優れたソーシャルプロダクツの表彰の対象として合致したことから、ディレイラブリューワークスのクラフトビールが年度テーマで受賞しました。

表彰した審査員からは「商品が醸し出す世界観に引き込まれる。街の暴動に想いを馳せ、笑顔でお酒を酌み交わせる平和な西成にしたいと願った気持ちが、ビール名とラベルデザインから伝わってくる」「1日30分からのフレキシブルなシフト体制、同一作業に複数名を配置するワークシェアリング体制など、障害者が働きやすい環境づくりにも余念がない」「地域とのつながりを感じながら、働きやすい環境で夢やロマンを追求するビールづくりは、障害者の生きがいと働きがいを体現している」などのコメントが寄せられました。

【ウェブサイト】Derailleur Brew Works
【ウェブサイト】株式会社シクロ
【ウェブサイト】ソーシャルプロダクツ・アワード

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明田川蘭

出版社、外資IT会社を経て沖縄で2年弱を過ごし東京へ帰って来て、編集・ライターとして独立。大のお酒好き、旅好きで、旅に出かければ必ずやその土地の地ビールや日本酒などをいただく。好物は「温泉に入った後のビール」「仕事で嫌なことがあった後のビール」「フェスでいただくビール」。

よなよなの里