キリンビール株式会社は、昨年発売したビール「SPRING VALLEY 豊潤<496>(以下、スプリングバレー豊潤496)」をリニューアルしました。今回は3月14日に行われた事業戦略発表会、3月29日に行われた完成披露発表会の内容とともに、スプリングバレー豊潤496についてお伝えします。
スプリングバレー豊潤496とは
スプリングバレー豊潤496は、「ビールって、こんなにおいしいものなんだ」というビールの感動体験を届け、今後100年のビール市場をけん引していくビールを造るというキリンビールの思いから生まれたビールです。2021年3月に発売されました。
ビールに使われている麦芽はキリンラガービールの1.5倍。キリンビールの社内ベンチャーとして新たなビールの歴史を作るということから始まり、開発までにかかった構想の期間は10年、製法開発の試験醸造の回数は250回。このように品質や味わいに徹底的にこだわった丁寧なビール造りにより、原料のもつ良さを最大限に発揮することで、エールのような豊潤さとラガーならではの綺麗な後味を兼ね備えたIPL(インディアペールラガー)となっています。
スプリングバレー豊潤496のビール名に含まれるスプリングバレーは、1870年にノルウェー生まれのアメリカ人のウィリアム・コープランド氏が横浜の山手に設立した醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」に由来しています。スプリングバレー・ブルワリーは日本で最初に商業的に成功し、日本のビール産業の礎になったと言われる醸造所で、その土地を引き継いだのが後にキリンビールとなるジャパン・ブルワリー・カンパニーでした。キリンビールは、そのスプリングバレー・ブルワリーの先駆性や品質本位、おいしさへのこだわり、クラフトマンシップへの敬意、またそれを受け継ぐものという意思を込め、スプリングバレーと名付けたビールを展開することになりました。
同ビールは国内外のビールの品評会で計69個のメダルを獲得するほど高く評価されており、1990年からこれまで30年以上愛飲されてきた「一番搾り」「一番搾り糖質0」と並ぶ新たな高付加価値をもったブランドとしてキリンビールが「第二創業期を担う」というほど重点を置いて展開することを発表しているビールです。
リニューアルしたスプリングバレー豊潤496は何が変わったのか
事業戦略発表会や完成披露発表会で、味わいを決定する最高責任者の役割を担うマスターブリュワーの田山智広さんは「満足感がありながらも、これまで以上にバランスよく飲み飽きない味わいに仕上げました」と、今回のリニューアルのポイントを2つ解説しました。
まず、リニューアルの1つ目のポイントは日本産ホップの「IBUKI」を一部使用したことです。「IBUKI」は穏やかで上品な柑橘系のレモンやグレープフルーツのような香りが特長の日本産ホップ。田山さんによるとリニューアル前はキリンビールが昔から大事に使っていたチェコ産の最高級グレードのファインアロマホップを中心に、ドイツ産とアメリカ産の厳選したホップを4種類使っており、これにキリンビールが農家と大切に育ててきた「IBUKI」を配合し、5種類のホップを使ったといいます。田山さんは「IBUKI」の特徴について「主張が激しくなく非常に奥ゆかしい。穏やかな柑橘の香りが付与され、苦みもとても洗練されている」と評しています。
そして、2つ目のポイントは仕込工程の一部を変更して酸味を抑えたことです。香りをじっくりと引き出すために製法にこだわり、海外の醸造家から「クレイジー」ともいわれたという、発酵中にホップを投入して低温で7日間じっくり漬け込む「ディップホップ製法」を採用したことで、トップの香りから後味に至るまで、味のバランスが取れ、さらに豊潤な香りと味わいを醸し出しながらも、これまで以上に飲み飽きないビールに仕上がっています。
CMキャラクターは吉永小百合さん
3月29日より放送される新CMのキャラクターには吉永小百合さんが選ばれました。同日の完成披露発表会には吉永さんと田山さんが登壇。ビールのCMへの出演は20年以上前にハリソン・フォードさんと共演したキリンラガービールのCM以来という吉永さんは今回のCM出演を引き受けた理由について「去年の秋にお話をいただいたんですけれども、私でいいんでしょうかという思いがしていました。でもスプリングバレーというネーミングがとても素敵ですよね。そして、買って家でいただいてみたら、とても柔らかくておいしい。だからぜひやらせていただきたいと思いました」と話しました。
また、楽しいビールの思い出について聞かれた吉永さんは「ちょうどラガービールのCMをやらせていただいているころに水泳にのめりこんでいたんですね。それで20人ぐらいの仲間たちと年2回、合宿で海の近くに行って、プールで泳ぐことがありました。そして、そのときにやはり練習を終えて、みんなでいただくビールのおいしさ。ああ、ビールってこんなにおいしいものなんだと思いました。記録会があって自己ベストで最後の年に泳げたときも格別にビールがおいしかった」と答えていました。
そして、田山さんと乾杯する場面では「まろやかです」と感想を一言。田山さんはこれを受け「特徴がすごくあり、普通のビールとはちょっと違う味わいがありながらも、非常にまろやかな口当たりで飲みやすいというバランスを追求しましたので、今のコメントはとてもうれしいです」と感慨深げに話していました。
さらに、田山さんはビール造りについて「やればやるほどいいものができるので、どこまで追求したらいいんだというところがあります。終わりがない。ただ本当に楽しいんですよね。そのプロセスを楽しみながら、これでお客さんがどんなに喜んでくれるかなということを想像しながらやっています。飲んでいただいたときの笑顔、これをずっと思い描きながらやっています」と穏やかな語り口で話していました。
後記
スプリングバレー豊潤496は、インテージSRI+のレポートによると、2021年の販売開始以降、業務用酒販店を含む国産クラフトビールの販売規模を前年比191%増に押し上げ、クラフトビール市場の拡大に貢献しています。「ビールが、もう一度始まる。」のキャッチフレーズとともに「第二創業期」の言葉を掲げるキリンビールがリニューアルしたスプリングバレー豊潤496をぜひ味わってみてください。
SPRING VALLEY 豊潤<496>概要
容量・容器:350ml缶、500ml缶、330mlびん、1L・3Lペットボトル、15L樽
価格(消費税抜 希望小売価格):350ml缶:248円、500ml缶:330円
アルコール分:6%
製造工場:キリンビール横浜工場・滋賀工場
【参照サイト】SPRING VALLEY(スプリングバレー)
【参照ページ】スプリングバレー豊潤<496>|ビール情報|キリン ホームタップ
【参照ページ】キリン ホームタップ
【関連ページ】キリンビールの家庭用ビールサーバー「キリン ホームタップ」の料金プラン、購入・会員登録・申込方法、銘柄の一覧まとめ
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文・撮影:秋山哲一
秋山哲一
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