ISEKADOはレボーンが開発したAIにおいセンサー「Obre(オブレ)」を正式導入した。嗅覚センサーの業務における本格利用は、世界初の事例となる。
「Obre」では、その香りをただ捉えるだけでなく、定量データとしての「資産化」を実現。香りプロファイルを高精細データとして記録・蓄積し、再現性をもって検証や分析をできる体制を築くことで、ブランドの核心を永続的に保存・継承・活用できるようになるという。
同社では、実証試験として自社および他社商品あわせて70種のビールをObreで測定。クラフトビールのように香りの複雑な商品でも、香りの違いをセンサーデータとして可視化・識別できることを確認した。この結果を受けて今回の正式導入に至った。
今回の導入で同社は、Obreで測定した香りデータとISEKADOのビール鑑定士による官能評価を統合した「香りに基づく麦酒マップ」を作成。完成されたマップは、店頭プロモーションやSNSコンテンツとしても活用でき、一般消費者が「自分好みの香り」を直感的に楽しむ体験を提供する。また、従来の主観的評価・抽象的な表現のみに頼ることなく、商品ごとの個性や違いを視覚的・科学的に説明できるツールとして、品質管理・商品開発などのさまざまな事業シーンにおいて活用できるという。
同社は将来的に、日本で醸し出されるクラフトビールの香りを分かりやすく世界に伝えるマーケティングツールとして、業界全体に普及させていくことも視野に入れている。
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梶原誠司
