もうすぐバレンタイン! 大切な人にチョコレートを贈ったり贈られたり、または自分用にがっつり買い込んだりして、チョコレート好き・スイーツ好きにはたまらないシーズンですよね。
クラフトビール界ではこの時期、チョコレートモルトを使ったビールや、副原料としてカカオニブなどを使いチョコレートの風味を楽しめるビールのリリースが目白押し。バレンタインシーズン限定醸造ビールのなかから、5つのブルワリーのビールをピックアップしてご紹介します!
【サンクトガーレン】超特濃な味わい「インペリアルチョコレートスタウト」
神奈川県厚木市に醸造所を構えるブルワリー、サンクトガーレンは、2006年から毎年バレンタインシーズンに「インペリアルチョコレートスタウト」を限定販売してきました。今年で販売16年目となるこのビールは、通称“チョコビール”。とはいえ、チョコレートそのものを使った甘いビールではなく、通常のビールの原料でチョコレート風味を引き出したビールです。
「インペリアルチョコレートスタウト」は、通常のスタウトの約3倍の材料を使用した超特濃ビール。「まるで飲むビターチョコレートケーキ」という感想を述べるお客さんもいるとか。
そのビターチョコレート風な味わいや色を醸しているのは、超高温で焦げる寸前まで焙煎したチョコレートモルト。かなり焦げ感が強く真黒なブラックモルトの一歩手前の仕上がりで、色はダークな茶色。カカオのような香ばしい香りがあり、かじるとほろ苦いチョコレートのような味がします。このチョコレートモルトからチョコレート風味を絶妙に引き出しているのがサンクトガーレンのバレンタイン限定ビールの特徴です。
「インペリアルチョコレートスタウト」の泡のテクスチャーはしっかりして固め。アルコール度数は9%とビールとしては高いですが、ビターで濃厚な味わいをじっくり、ゆっくり楽しみたい1本です。
サンクトガーレンは、2021年のバレンタインシーズン限定ビールとして「インペリアルチョコレートスタウト」の他に3種類のビールをリリースしました。ラインナップは、幻の洋ナシ、ル・レクチェを惜しみなく使った「ル レクチェ チョコレートスタウト」、皮ごと細かく刻んだ橙オレンジを使った「オレンジチョコレートスタウト」、パプアニューギニア産のAグレードバニラを使用した「スイートバニラスタウト」。どれも味わってみたいフレーバーですね。ぜひ、バレンタインデーにサンクトガーレンの限定ビール4種を飲み比べてみてください。
【べアレン醸造所】英国スタイルの伝統的な製法で作られた「ベアレン チョコレートスタウト®」
岩手県盛岡市のベアレン醸造所は、英国のクラッシックな製法で作られた「ベアレン チョコレートスタウト®」を発売。
原材料は、麦芽、麦、ホップ、以上。チョコレートモルトを使用し、上質なコーヒーやカカオのような香りとビターチョコレートのような香ばしい味わいが特徴。 アルコール度数は6.5%。
ベアレン醸造所の「ベアレン」とは、ドイツ語で熊の意味。「ベアレン チョコレートスタウト®」のパッケージにはかわいい熊のイラストがあしらわれていてキュートです。
ベアレン醸造所は2021年バレンタインシーズン限定ビールとして、乳糖を使ったほんのり甘い味わいの「ベアレン ミルクチョコレートスタウト」、チョコレートスタウトをさらに濃厚に仕上げたプレミアムな1本「ベアレン チョコレートスタウトヴィンテージ」もリリースしています。
【田沢湖ビール】チョコレートモルトが香ばしい「W CHOCOLATE BOCK」
秋田県仙北市の田沢湖ビールがバレンタイン時期に限定リリースしたのは「W CHOCOLATE BOCK」(ダブル チョコレートボック)。香り高いチョコレートモルトを使用した、ドッペルボックというスタイルのビールです。
ドッペルボックは、ドイツ発祥のビールスタイル。もとは修道会で作られていたビールで、アルコール度数が高く、モルトの風味が豊かに感じられる濃厚なビールです。「W CHOCOLATE BOCK」は田沢湖ビール従来商品の1.5倍のモルトを使用し甘味のあるビールに仕上げ、甘味の中にも焙煎したチョコレートモルトの苦味やカカオのような香ばしい香りがきいてバランスの良い味わい。アルコール度数は8%。
「W CHOCOLATE BOCK」は1本ずつ、黒を基調としたシックなギフト箱に入っています。金色のロゴがキラリと光り、蓋を開けると上品な赤色。バレンタインの贈り物に最適ですね。
【コエドブルワリー】ドミニカ産のカカオニブ入り「チョコレート・デュンケル」
アメリカ・サンフランシスコにあるBean to Bar チョコレートメーカー「ダンデライオン・チョコレート」と埼玉県川越市のコエドルワリーがコラボしてリリースしたビール「チョコレート・デュンケル」は、チョコレートそのものを副原料として使っているビール。
デュンケル(ミュンヒナー・デュンケル)は、ドイツ・ミュンヘン発祥のビールスタイル。モルト由来の濃厚な風味、焙煎の香りが特徴。「チョコレート・デュンケル」は焙煎麦芽の代わりにカカオニブとチョコレートを使用し、カカオ本来の香りをビールと一緒に楽しめるように仕上げています。
「チョコレート・デュンケル」に使っているのは、「ダンデライオン・チョコレート」が提供する、ドミニカ共和国産カカオ豆のカカオニブとチョコレート。カカオの芳醇な香りとチェリーを想わせるおだやかな酸味が感じられる味わい。「チョコレート・デュンケル」は、ベースとなるビールのモルト由来のふくよかな甘味とカカオの味わいがバランスよく調和した1本です。
【月岡ブルワリー】ピンク色でフルーティー「ルビーチョコレートビール」
新潟県新発田市の温泉街・月岡温泉にある醸造所、月岡ブルワリーは、ルビーチョコレートを使ったビールを限定リリース。
ルビーチョコレートとは、ダーク、ミルク、ホワイトチョコレートの後に新たに登場した第4のチョコレートともいわれ、ここ数年チョコレート業界で話題になっています。ピンク色のカカオ豆からつくられており、華やかな見た目、フルーティーな香りとベリー系の酸味が特徴です。
「ルビーチョコレートビール」はルビーチョコレートの風味に合うラズベリー果汁を加え、チョコレートの香りにホップの苦み、ベリーの酸味が際立ったビール。美しいルビー色も魅力です。
月岡ブルワリーは、「ルビーチョコレートビール」とともに、新発田市内で焙煎したモカジャバを使い、水出しコーヒーのような苦みを効かせた「コーヒースタウト」を発売。この2種の限定ビールは2月7日より本数限定約500本発売(予約は2月1日から)、売切次第終了です。
寒い季節にじっくり飲みたい、チョコレートの香りを感じるビール
チョコレートモルトを使った、チョコレートの香りがするビールや、カカオニブやルビーチョコレートを使ったビール、どれも一度飲んでみたくなりますね。
焙煎した麦芽を使ったビールは基本的に糖度が高く、冷蔵庫から出してすぐキンキンに冷えた温度でグビグビ飲むよりも、室温に近い温度まで戻してからじっくり飲む方がモルトの風味を堪能できるとされています。2月上旬の寒い時期に味わうのにぴったり。バレンタインなんか興味ない、関係ない、という方も、この時期にチョコレートの香りがするビールを飲んでみてはいかがでしょうか。
※注記のない写真は、各社のプレスリリース素材から掲載しました
【参照サイト】サンクトガーレン、チョコレートビール4種を2021年1月8日より数量限定発売
【参照サイト】月岡ブルワリー日本初のルビーチョコビールを2月7日新発売!
【関連サイト】サンクトガーレン
【関連サイト】ベアレン醸造所
【関連サイト】田沢湖ビール
【関連サイト】コエドブルワリー(オンラインショップ)
【関連サイト】月岡ブルワリー
【参考資料】『ビール大全』楽工社刊