壁ではなく繋がりを。BrewDogが米メキシコ間の国境をまたぐビアバーを計画

(※写真:MAKE BEER NOT WALLS: BrewDog to build a craft beer bar across the US-Mexico borderより)

アメリカとメキシコの国境沿いに壁を建築すると宣言したドナルド・トランプが大統領に就任してから約半年。建設の費用はメキシコ側が出すようにと要求して当然の如く拒否されるといった膠着状態にあるなか、そんな大統領の野望を軽やかに挫いてみせようという計画が持ち上がっている。

スコットランド発のクラフトビールブルワリー「BrewDog」が、壁に対する社を挙げた意思表示として、文字通りアメリカとメキシコの国境をまたぐビアバーを設置することを発表したのだ。その名も”The Bar on the Edge(境界線上のバー)”だ。実現されれば、あたかも壁に立ちはだかっているような格好になる。このバーは、最果てまで探求するという自社のスピリットを象徴すると同時に、協働と包括というクラフトビール業界のアイデンティティを表現している。

(※写真:MAKE BEER NOT WALLS: BrewDog to build a craft beer bar across the US-Mexico borderより)

スコットランド発のBrewDog は、アメリカの数多くのブルワリーに歓迎され、影響を受けたからこそ今日の姿がある。そんな自社の歴史を振り返り、また異なる文化を繋げ続けてきたビールの歴史を振り返り、自分たちも人と人とを繋げるような社会的インパクトのある行動を起こしたいと考え、この計画に至った。

BrewDogはこのバーの具体的な立地を明らかにしてはいないが、奇襲作戦の如く決行するということではなく、きちんと地元の役所から公式な許可を取って運営するという。正式な許可をもらって先に設置してしまえば、後から壁を建設する人たちが「どきなさい」と言うのも容易ではなくなるだろう。「どけと言われるまでどく気はない」とBrewDogの共同設立者James Wattは意気込む。

壁は建てられるかもしれない。あるいは建てられないかもしれない。どちらにせよ、人々は国境沿いに集い、ビール片手に高らかに笑い合う。そんな平和な光景が目に浮かぶかのようだ。国境周辺に漂う緊張感も、ほろ酔い気分が吹き飛ばしてくれるに違いない。

【参照サイト】MAKE BEER NOT WALLS: BrewDog to build a craft beer bar across the US-Mexico border

(※IDEAS FOR GOOD「壁ではなく繋がりを。BrewDogが米メキシコ間の国境をまたぐビアバーを計画」より転載)

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