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シニア×クラフトビール!?乾物サンドイッチと合わせて楽しめるお店・代々木「エイジングサンドイッチ」

AGING SANDWITCH(エイジングサンドイッチ)は、代々木駅徒歩5分の場所にオープンした、テイクアウト、イートインができるサンドイッチ屋だ。

店が掲げる「60歳以上の雇用」のコンセプトと、乾物・ドライフルーツを使用したサンドイッチとの掛け合わせの斬新さが話題を呼んでいる。クラフトビール好きの店主の歩美さんが、常時6種類ほどの缶ビールを、国内外問わずそろえている。

高齢者に「職」、若者に「食」を


エイジングサンドイッチでは「老後の資金問題が騒がれる今、どうせ働くならかっこよく、生きがいを持って楽しんでもらい、古きよきものは若者に伝えてもらいたい。若者や時代が目まぐるしく変わっていく中で、変わりにくい高齢者(以下、AGING PEOPLE)を置いてきぼりにするのではなく、AGING PEOPLEでも成長できる、必要とされて働ける店づくり」を目指している。そのコンセプトに導かれたように、店内では60歳以上のシニアが働く。

この店のコンセプトが生まれた背景には、店主である歩美さんの父の状況も深く関連している。歩美さんの父あきろうさんはサラリーマン時代にリストラにあった。その後、建設作業員の仕事に就いたものの、数年前、現場にて転落、頭蓋骨や背骨を折る大怪我をした。そのころ歩美さんは自身初めてのお店のオープン間近で、自分のことで精いっぱいだった。そうした日々で気にかかってくるのは両親の老後。どうにかして一緒に働く形を実現させられないかと考え、あきろうさんに伝えたところ快諾。今回の開店につながった。

最近はあきろうさんに愚痴を聞いてもらいに、若い来客が増えている。今後は一般雇用や、ハローワークなどからの雇用も視野に入れている。

ビールを注ぐあきろうさん。横浜市の山奥で犬と2人暮らし
ビールを注ぐあきろうさん。横浜市の山奥で犬と2人暮らし

乾物のサンドイッチが絶品!“食べられる紅茶”もおすすめ

ここまで読むと、あきろうさんがメインのお店のように思われるかもしれないが、そこはあくまでもサンドイッチ屋。切り干し大根やドライフルーツを使用したサンドイッチはとてもおいしい。たとえるなら酢豚にパイナップル、生ハムにメロンのような、食べるほどにひきこまれる味だ。

提供中のサンドイッチ5種
提供中のサンドイッチ5種

おすすめはスモークサーモン。チーズのテリーヌにサーモンの甘味と桃の甘味がとても合い、ピンクペッパーのカリッとした触感もいい。鼻から抜ける酒粕の香りもいい。クラフトビールに合わせるつまみにも適したサンドイッチだ。テイクアウトし、晴れた日には代々木公園でサンドイッチ片手のピクニックもよさそうだ。

ドリンクメニューにもこだわる。常時6種類のクラフトビールのほか、月替わりのフルーツ漬け焼酎、ナチュールワインなどもそろえている。その中でもとりわけ注目したいメニューが“食べられる紅茶”だ。その名の通り、茶葉まで食べられる一品。ゆったりとした空間で紅茶を飲むと、不思議とゆったりした気分になる。

後記

60歳以上の雇用、乾物を使用したサンドイッチといったコンセプトだけを聞いたときには、どのようなお店なのかを想像し難く、戸惑いを隠せなかった。ただ、生き生きと働くあきろうさんに歩美さん。そして、そうした空間を求めて来る客を目の当たりにし、高齢者と社会とのつながりのよりよい可能性について考えさせられた。

超高齢化が進む日本において、高齢者と若者がともに働く場を作り、長く元気に働く。そのようなよい掛け算が生まれる場所は、今日も心地よく温かな空気に包まれているだろう。

店舗概要

店名:AGING SANDWICH(エイジングサンドイッチ)
所在地:東京都渋谷区千駄ヶ谷4-30-6エビデンワビルB1F
営業時間:10~23時(日曜のみ22時)
定休日:月曜日ほか

※2023年1月30日(月)までアタラシイものや体験の応援購入サービス「マクアケ」にて応援購入を実施中

【参照ページ】ドライフルーツや乾物を重ねて作るサンドウィッチ屋「AGING SANDWICH」|マクアケ – アタラシイものや体験の応援購入サービス

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宗清 航大

1997年生まれ。東京都町田市出身。2024年に町田市でのブルワリー設立を目指しています。趣味はサウナ、散歩。ビールを通した先にある偽りのない繋がりと空間づくりを自らの店でしたいと思っています。noteでは「ブルワリー設立の軌跡」を執筆中。

よなよなの里