東京都世田谷区では、2022年5月31日まで「世田谷おいしいもの巡り2022」を開催中! 区内20 の飲食店がフェアトレード素材を使った特別メニューを提供しています。
今回は「世田谷おいしいもの巡り」に参加している2つのクラフトビールブルワリーをハシゴし、フェアトレードコーヒーを使ったクラフトビールを堪能。コーヒーの味わいを活かす醸造のこだわりをお聞きしました。
フェアトレード素材を使ったメニューが楽しめる「世田谷おいしいもの巡り」
フェアトレードとは、社会的・経済的に弱い立場にある人々に公正な対価を支払うことで生活改善と自立を目指す貿易の仕組みのこと。毎年5月の第2土曜日は世界フェアトレード連盟(World Fair Trade Organization 、WFTO)が定める世界フェアトレードデーで、5月はフェアトレード月間です。5月中は世界中でフェアトレードに関連したイベントが開催されています。

東京都世田谷区では、世界フェアトレードデー・フェアトレード月間にちなんで5月14日から31日まで「世田谷おいしいもの巡り2022」を開催しています。このイベントは世田谷区でフェアトレードをはじめとするエシカル消費を広めるために活動する任意団体「フェアトレードタウン世田谷推進委員会(FTTS)」が運営。3回目の開催となる今回は世田谷区内のカフェや飲食店20店が参加し、各店がフェアトレード食材を使ったコラボメニューを提供しています。
「世田谷おいしいもの巡り2022」は日本国内の国際フェアトレード認証ラベルのライセンス事業を担う特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパンが主催する「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2022」にも登録されています。
「世田谷おいしいもの巡り」で飲めるフェアトレードコーヒーを使ったクラフトビール!
「世田谷おいしいもの巡り2022」には、クラフトビールブルワリーも参加しています。経堂の後藤醸造、祖師ヶ谷大蔵のriot beerをハシゴして、フェアトレードで輸入されたコーヒーを使ったクラフトビールを飲みながら、ブルワーやスタッフにお話をお聞きしました。
《経堂・後藤醸造》飲んだ瞬間「コーヒーだ!」と驚く味わい、東ティモール産コーヒーの風味を活かしたスタウト
まず向かったのは、小田急線経堂駅が最寄りのブルワリー・後藤醸造。

後藤醸造は後藤健朗さん・後藤由紀子さんが営むブルーパブ(パブを併設した醸造所)です。2人の母校・東京農業大学のキャンパスがある経堂で2016年にビアバーを開店し、その翌年から、お店に隣接する自社工場でクラフトビールの醸造をはじめました。

今回、「フェアトレードタウン世田谷推進委員会のメンバーにクラフトビールがお好きな方がいらっしゃって、このお話をいただきました」と、後藤由紀子さん。「世田谷おいしいもの巡り」のコラボメニューとして提供しているのは、東ティモール産のフェアトレードコーヒーを使ったスタウト「CAFE TIMOR STOUT 20」です。

東ティモール産のフェアトレードコーヒーを使ったスタウト。ビール名の「20」は、東ティモール独立20周年に由来
さまざまなフェアトレードの素材がある中で東ティモール産コーヒーを使った理由について由紀子さんは「どんな食材でもビールにできますが、後藤醸造としては“おいしいビール”に仕上がることを優先しました。東ティモールは今年独立20周年の記念の年。コーヒーは東ティモールの名産品でもあり、ビールにしてもおいしいということで選びました」と語ります。
コーヒーは、後藤醸造のご近所にあるコーヒー店「カフェマルシェkunikuni」から仕入れ、中深煎り、粗挽きの仕上がりでオーダー。「スタウトは焙煎した麦芽を使った香ばしさが特徴です。コーヒーと合わせるなら味の相乗効果の出るスタウトにしようと思いました」(健朗さん)と、ビアスタイルはスタウトを選択。
コーヒーの味わいを活かすために醸造工程にもこだわっています。


「真っ黒なチョコレートモルトを仕込みの前日から水出しし、スパージング時(麦汁を絞った後の麦芽に湯をかけて、残った糖分をとる工程)に入れて余計な苦味・渋味を軽減させ、東ティモール産コーヒーの風味を邪魔する事のないようにしました。コーヒー豆も煮沸時、発酵時と2段階で投入し、コーヒーの複雑な味わいを壊さず十分に楽しめるようにしました」(健朗さん)
「飲んだ瞬間『コーヒーだ!』と驚かれるように、コーヒーを前面に出してみました」という健朗さんのねらい通り、「CAFE TIMOR STOUT 20」はコーヒーの風味がしっかりと感じられる味わい。おすすめのペアリングは、後藤醸造で出している「ホップジェラート」。「コーヒーアフォガートみたいになるのでオススメです」(由紀子さん)。

「CAFE TIMOR STOUT 20」は限定醸造のビールですが、「世田谷おいしいもの巡り」の期間外でも仕込み分がなくなるまでは後藤醸造で飲めます。また、イベント参加店の「ビアバルFesta下北沢」でもドラフトで提供中。ボトルも数量限定ですが、後藤醸造の店頭、または後藤醸造のオンライン通販で販売しています。
【関連サイト】
後藤醸造
後藤醸造公式インスタグラム
「ビアバルFesta下北沢」公式インスタグラム
カフェマルシェkunikuni
【販売サイト】
後藤醸造通販サイト
《祖師ヶ谷大蔵・Riot Beer》蜂蜜、バニラがほのかに香る!エチオピア産コーヒーを使ったドリンカブルなポーター
次に訪れたのは、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅から徒歩6、7分のところにあるriot beer(ライオットビール)。


riot beerは2018年に醸造を開始したブルワリー。できたてのクラフトビールが飲めるタップルームが併設し、10TAPのオリジナルビールを提供しています。
「世田谷おいしいもの巡り」のコラボビールは「Stray Cats 珈琲ポーター」。イベント参加店のスペシャルティコーヒー専門店「カフェテナンゴ」から仕入れたエチオピア産のフェアトレードコーヒー豆を使っています。

深煎りのエチオピア産フェアトレードコーヒー豆を使用
軽めに仕上げたポーターをベースに、醸造の最後の過程で蜂蜜を投入。発酵させた後に深煎り焙煎したコーヒー豆を入れて、バニラビーンズでアロマをプラスしています。ドリンカブルになるよう仕込みながら、「軽くても複雑なアロマが得られるよう仕上げました」と、ブルワリー共同オーナーの上地風吾さん。


上地さんがおすすめする「Stray Cats 珈琲ポーター」のペアリングフードは、「スイーツだと思います。色々なものに合うと思うので、ペアリングを楽しんで欲しいと思います」とのこと。取材当日は、麦芽粕を使ったクラッカーをおつまみに。タップルームでは麦芽粕入りオリジナル生地のピザなども提供しています。
「Stray Cats 珈琲ポーター」は、ボトルでも販売中。店舗やオンラインストアで購入できます。今のところ限定醸造の銘柄ですが、材料さえ揃えばまた仕込むことがあるかもしれないそう。
【関連サイト】
riot beer
riot beer公式インスタグラム
カフェテナンゴ
【販売サイト】
riot beerオンラインショップ
フェアトレードの南アフリカ産ワインもラインナップ
「世田谷おいしいもの巡り」には、二子玉川のブルーパブ・ふたこビールも参加していますが、今回はクラフトビールではなくフェアトレードのワインをコラボメニューとして提供しています。


写真提供:ふたこビール
提供するのは南アフリカ共和国南西部・ウエスタンケープ州、「葡萄と薔薇の大地」として知られるブレード川流域(Breede River Vally)で生産されたワイン。トロピカルな香りとさわやかな酸味の白ワイン「Palesa Chenin Blanc」と、スパイシーでフルボディーな赤ワイン「Palesa Merlot」です。ふたこビールに行って、クラフトビールと合わせてフェアトレードのワインも飲んでみては?
【関連サイト】
ふたこビール
シールを集めると、フェアトレード商品が当たる!
「世田谷おいしいもの巡り2022」では、シールラリーを実施。イベント参加店でコラボメニューをオーダーすると台紙とシールがもらえます。シールが2つになったら、参加店でオリジナルステッカーと交換可。さらに台紙裏面のアンケートに記入して参加店に渡せば、抽選で5名に、フェアトレードスぺシャルボックスが当たるとか。シールラリーの詳細は「世田谷おいしいもの巡り」の特設ぺージをご確認ください。

今回ハシゴした2つのブルワリーは、使っているフェアトレードコーヒーの産地も違い、それぞれに醸造の工夫があって味わいも個性的でした。どちらも小田急線沿線のお店なので、途中下車しながら飲み比べしてみるのがおすすめ。クラフトビールが好きな方はもちろん、コーヒーが好きな方も楽しめるローカルな「おいしいもの巡り」、ぜひ参加してみてください!
【関連サイト】
「世田谷おいしいもの巡り2022」特設サイト
WFTO公式サイト
フェアトレード・ラベル・ジャパン「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2022」公式サイト

