東京都世田谷区・千歳船橋のタップ&ボトルショップ「SOUR SWAMP」と、パンから造るアップサイクル・クラフトビールのブルワリーBetter life with upcycleが、コラボビールをリリースしました!
ビアスタイルは「SOUR SWAMP」店主・安中さん推しのSour Lager。暑い季節にぴったりの“酸っぱジューシー”な1杯です。2024年7月に開催されたローンチイベントで、安中さんとBetter life with upcycleヘッドブルワー・伊藤さんに、コラボビール「Sour Lager」についてお話を聞きました。
千歳船橋「SOUR SWAMP」とBetter life with upcycleがコラボ!
「SOUR SWAMP」は小田急線千歳船橋駅が最寄りのタップ&ボトルショップ。店主の安中さんが厳選したドラフトビールや缶・ボトルビールは、サワーエールやランビックなど、“酸っぱいビールが多め”なラインナップ。
Better life with upcycleのブルワー・伊藤さんはこれまでお客様として、ビール業界の仲間と一緒に「SOUR SWAMP」に通ってきました。関西のブルワリーで醸造に携わっていた伊藤さんは、神奈川県海老名市に拠点を持つBetter life with upcycleの自社醸造所立ち上げのために関東に移り、今回「SOUR SWAMP」とのコラボが実現!
コラボビール「Sour Lager」は、2024年7月13日・14日に「SOUR SWAMP」で開催されたローンチイベントで先行販売され、ドラフトと缶で提供がスタートしました。
サワーで、ラガー! 手間も時間もかけて醸造された希少なスタイル
Sour Lagerというちょっとレアなビアスタイルは、どんな経緯で決まったのでしょうか?
伊藤さん:「今回のコラボビールは『SOUR SWAMP』さんのお店の個性と、我々のコンセプトとを混ぜ合わせて造りました。麦芽の量に対して10%ほどのパンを使っていて、ラガースタイルでサワー、というのが一番の特徴ですね。ラガーイーストと乳酸発酵の組み合わせって、珍しいんじゃないかなと思います。これは安中さんから言われて……」
安中さん:「ポートランドのLittle Beast Brewingというブルワリーが、前にSour Lagerを造っていたんです」
伊藤さん:「そのビールは手に入らなかったんですが、安中さんの話を聞いた上で想像するとめちゃおいしそうで、造ってみたいと思いました。そもそもSour Lagerなんてあるんだ、と。センセーショナルな印象でした」
伊藤さんは、安中さんから聞いた味のイメージからレシピを組み立てて、ホップと乳酸由来の風味でフルーティーさ・ジューシーさ・みずみずしさを出しました。「ドライホップしなくてもいいかなっていうくらい、かなりフルーティ」(伊藤さん)な仕上がりに、さらにドライホップして味わいを調整しています。
安中さんは自ら醸造所に出向いて仕込みに参加したのだそう!
安中さん:「乳酸発酵の期間とかラガービールをクリアにするために寝かせる期間とかを考えると、こういうスタイルを造ること自体、時間がかかって効率が悪いんですよ。無理を言っちゃってすいませんという感じです。
前に飲んだLittle Beast BrewingのSour Lagerは、このビールよりももっとホップに頼った感じの味だったので、今回はそこにあまり寄りかからないようにしたいというお話をしていたんです。結局ドライホップはしましたが、乳酸菌由来の柑橘感が結構出て、こんな感じになったらいいなというところに持ってきてくださったのでとてもうれしいです」
ローンチイベントでは、「Sour Lager」を飲んだお客様から「ウマい」の声が続出。クリスピーでドライなラガービールの味わいに、果実は全く使っていないながら乳酸発酵の酸味やドライホップによるフルーティーさ、みずみずしい柑橘感もある“酸っぱジューシー”な仕上がり。暑い季節にぴったりな味わい。
「Sour Lager」の味を体感して!
コラボビール「Sour Lager」は、「SOUR SWAMP」でドラフト・缶商品を販売しているほか、Better life with upcycleのオンラインストアでも購入できます(いずれも2024年7月現在。限定品のため売り切れ次第終売予定)。希少な「Sour Lager」の味わいを体感してみては?
「SOUR SWAMP」
〒154-0017
東京都世田谷区船橋1-9-10 コーポ軽井沢 1F
※営業時間等はインスタグラムでご確認ください
創業100周年の老舗ベーカリーが造るアップサイクル・ビール
ブルワリーについても深堀りしましょう。Better life with upcycleは名前にある通り、アップサイクルをコンセプトとした醸造所です。
運営母体は業務用のパンを製造する株式会社栄屋製パン(神奈川県海老名市)。地元・海老名では学校給食用のパンでおなじみの会社で、昨年創業100周年を迎えた老舗です。
製造過程で工場から出るパンのロスは毎日トラック一杯分以上にもなります。ロス分はこれまでも飼料として有効活用してきましたが、原料や製法にこだわって焼いたパンを食品としてアップサイクルしようと、専務取締役の吉岡さんが2022年に新事業をスタート。パンのミミをモルトの一部に代替して醸造するクラフトビールをリリースしました。
当初は外部ブルワリーで委託醸造していましたが、市場の反響をみて自社ブルワリーの設立に着手。大阪市西成区のブルワリーDerailleur Brew Works等で実績のあるブルワー・伊藤さんを招いて、2024年2月、海老名市内に醸造所をオープンしました。
原料は、パンのミミ!
ビールの原料にするのはサンドイッチ用に切り落とされた食パンのミミです。パンの種類によっては、バターなどの油脂分がオフフレーバー(その食品本来のものから逸脱したにおい=異臭)につながってしまいますが、栄屋製パンのサンドイッチ用の食パンは、具材を引き立てるためにシンプルな材料で造られ油脂を含まず、ビールの原料に適しているのだとか。
初醸造したビールは「American Wheat」。小麦麦芽の代わりにパンを使う要領で、麦芽の量に対して30%ほどのパンのミミを入れています。トロピカルでシトラス感もあるホップフレーバーとクリアな苦味、シルキーな口あたりの一杯です。ほかに「Extra Special Bitter」、「IPA」、「Pilsner」「Stout」を展開(2024年7月現在、一部SOLD OUT商品あり)。
オンラインストア、地元・海老名のリカーショップ等で販売
Better life with upcycleのビールは、公式オンラインストアで購入できます。定番ビールの缶商品は醸造所の地元・海老名のViNA GARDENS内にあるリカーショップ「三河屋」や、「信濃屋」の一部店舗でも取り扱い中。ビアパブでドラフトがつながることももちろんあります。
アップサイクルというコンセプトを置いておいても、クリエイティブなブルワーを迎えてスタートしたBetter life with upcycleは新規開業ブルワリーとして要注目です。すでに新たなコラボビールも仕込んでいる様子。SNS等で情報をチェックしましょう!
【関連サイト】
Better life with upcycle オフィシャルサイト
Better life with upcycle インスタグラム
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