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台湾の人気クラフトビール「Taihu」直営のタップルーム「啜飲室 大安」現地レポート

台湾で人気のクラフトビールを手掛けるTaihu Brewing。台湾アイデンティティを色濃く反映したユニークな味わいのビールが多く、現地の直営タップルーム「啜飲室(チュオインシー)」は連日多くの客でにぎわっています。今回はそんな「啜飲室」の様子をレポートします。

※冒頭の写真は今回同行してくれた友人のJohnとBoris。台北を拠点に音楽業界で働き、カルチャーへの造詣も深い彼らがイチオシのビールと料理を教えてくれました。

Taihu Brewing直営のタップルーム「啜飲室」

「啜飲室(チュオインシー)」は「味わう部屋」を意味し、Taihu Brewingの個性豊かなクラフトビールを、おいしい食べ物と一緒に楽しめるカジュアルなタップルーム。今回は台北・大安区の店舗を訪問しました。

啜飲室大安の外観
啜飲室大安の外観。知らないとそのまま通り過ぎてしまいそうな「隠れ家」感がある。

台北捷運(MRT)の文湖線・板南線が乗り入れる、忠孝復興駅から徒歩1分ほどの場所にひっそりと佇む「啜飲室 大安」。店内は想像以上に広々としており、内装はモダンでスタイリッシュ。さまざまな国籍の人が住むエリアだからか、英語で話している客が多く、「気分はさながらニューヨーク」とでも言いたくなるような、インターナショナルな雰囲気が漂います。

店内の様子
店内の様子。あちこちで英会話が飛び交う。

台湾アイデンティティを色濃く反映した個性豊かなクラフトビール!

まずはTaihu Brewingの定番、「臺虎精釀IPA(Taihu IPA)」から。高温多湿な台湾の気候とマッチする、柑橘系の爽やかな味わいがたまりません。ほどよい苦味もアクセントになっていて、グビグビ飲めてしまいそう。しかし、ほかにも試したいビールがあるので、ここは急がず焦らずいきたいところです。

臺虎精釀IPA
ホップにシトラ、シムコー、カスケードを使用した柑橘系のフレーバー。
アルコール度数(ABV):6%

臺虎精釀IPA
Taihu Brewingの定番「臺虎精釀IPA」

次は、冬瓜の甘みが際立つフルーティーな「仙巴發發糕 2.0(Taihu Cactus Dessert Gose)」。サボテンの果実「オプンティア」を使った、台湾・澎湖諸島の伝統菓「仙人掌冰心糕」にインスパイアされているとのこと。すっきりとした酸味もあり、揚げ物と相性がいいと感じました。

仙巴發發糕 2.0
ゴーゼをベースに、リンゴジュースや冬瓜蜜を加えた、酸味のあるフルーティーな味わい。
アルコール度数(ABV):5%

仙巴發發糕 2.0
サボテンの果実が入った「仙巴發發糕 2.0」

続いてこちらは台湾でお馴染みのフルーツ、金桔(キンカン)を使用した「臺虎金桔(Taihu Kumquat)」。オレンジピールのようなほのかな苦さがクセになります。台湾産の新鮮な金桔がふんだんに使用されており、飲むときにさわやかな香りが漂い、アロマ効果も感じます。

臺虎金桔
モルトがほのかに効いた、柑橘系のフルーティーな味わい。
アルコール度数(ABV):5%

臺虎金桔
金桔(キンカン)を使用した「臺虎金桔」

こちらはホップにストラータを使用し、イチゴのような味わいを再現したという「酒花飛高高: Strata(Hop Lanterns:Strata)」。まず、香りがイチゴであることに驚きます。ほのかな苦味があり、飲みやすさがクセになりますが、アルコール度数は8%と高め。

酒花飛高高: Strata
ホップにストラータを使用し、イチゴの味を再現。
アルコール度数(ABV):8%

酒花飛高高: Strata
イチゴの味を再現した「酒花飛高高: Strata」

さらに、コーヒーの味が特徴の「阿啡正傳(Coffee Rules Everything Around Me)」。見た目に反して、苦味はなく、とても飲みやすいです。特別なモルトをふんだんに使用しているようで、コーヒーを加えていないのにも関わらず、アメリカーノのようなコクと香ばしさがあります。パッケージのロゴはウォン・カーウァイの映画『阿飛正傳(邦題:欲望の翼)』へのオマージュとのこと。

阿啡正傳
コーヒーの味が特徴の黒ビール。
アルコール度数(ABV):6%

阿啡正傳
コーヒーの味が特徴の黒ビール「阿啡正傳」

「台北×ニューヨーク」な食事の数々に舌鼓を打つ

おいしいビールにはおいしい食事が欠かせません。啜飲室大安では「コンフォート・フード」をコンセプトに、母親の手料理を食べているかのような、懐かしい気持ちにさせてくれる食事を提供。台湾とニューヨークをイメージした「台洋折衷」感もその魅力。カロリーのことはひとまず忘れて、気になったものからオーダーしました。

まずはサクサクの厚揚げポテトチップス「鹹蛋黃醬炸薯片(Salted Egg Yolk Sauce & Potato Chips)」から。ガチョウの卵を使用した濃厚なソースにディップしていただきます。

 鹹蛋黃醬炸薯片
鹹蛋黃醬炸薯片

次は台湾の伝統的なおつまみ「炸雞軟骨(Chicken Cartilage)」。日本人にも馴染みのある軟骨の唐揚げです。花椒が効いた特製のスパイスがまぶしてあり、ライムを絞って、塩味でいただきます。ピリッとした辛さと、歯ごたえがたまりません。

炸雞軟骨
炸雞軟骨

こちらは「水牛城辣雞翅(Spicy Buffalo Chicken Wings)」。アメリカで定番のバッファローウィングスです。外はサクサク、中はジューシーなチキンに、スパイシーなソースがたっぷりと絡んでいて、何本でもいけてしまいそう。

水牛城辣雞翅
水牛城辣雞翅

揚げ物が続いているので、野菜料理もオーダーしました。こちらは「乾煎蒜香青花菜(Pan Roasted Broccoli)」。パルメザンチーズやパン粉をまぶし、オリーブオイルでこんがり香ばしく焼き上げたブロッコリーです。ブロッコリーは歯ごたえがあり、旨味も抜群。肉料理に負けずとも劣らずの満足感があります。

乾煎蒜香青花菜
乾煎蒜香青花菜

台湾の定番料理もいただきます。こちらは「自製麻辣紅醬水餃(Dumplings w Homemade Chili Oil)」。ジューシーな水餃子に自家製ラー油を合わせた一品。衣はモチっと歯ごたえがあり、具には肉の旨味がたっぷり。お椀の底のラー油によく絡めてから食べるのがポイント。

自製麻辣紅醬水餃
自製麻辣紅醬水餃

〆のご飯ものを、ということで台湾のソウルフード「滷肉飯(Taiwanese Braised Pork Rice)」をオーダー。甘辛く煮た豚肉に、目玉焼きとたくあん、薬味を添え、ご飯が進むボリューミーな一品です。日本でも「ルーローファン」の名で親しまれています。

滷肉飯
滷肉飯

まとめ

「啜飲室」は大安区以外にも、台北に2店舗あるほか、台中と中国・廈門でも1店舗ずつ展開中。そして、店名は違いますが、東京・神楽坂にもTAIHU直営のバー「Taihu Tokyo | 臺虎東京」があり、今回紹介したビールの多くを実際に飲むことができます。台湾の伝統的な屋台料理も提供されているので、今回Taihu Brewingに興味を持った方は、まず本店舗を訪れてみることをおすすめします。

【参照サイト】Taihu Brewing
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Toshi

大学を卒業後、広告業界で営業職を務める。その後、音楽業界に転身。ライターとしては音楽・カルチャーを扱うメディアを中心に寄稿している。近年は台湾やベトナムを中心に、アジア各国に赴く機会が増えており、現地のクラフトビールも開拓中。ビールが育むコミュニティやカルチャーに関心あり。

よなよなの里