東京都調布市を中心にカフェや雑貨店を展開する手紙社が、西調布・TEGAMISHA BREWERYでクラフトビールの自社醸造をスタートしました! 店舗の1階は醸造所と落ち着いたカフェのようなビアパブ、2階は手紙社の書店「TEGAMISHA BOOKSTORE」が遅い時間帯まで営業し、本を読みながらオリジナルビールが飲めます。雑貨や紙モノを得意とする手紙社がブルワリーを開業することになったきっかけや、醸造を開始するまでの道のりなどをお聞きしました。
手紙社が手掛けるブルワリー!西調布TEGAMISHA BREWERY
TEGAMISHA BREWERYは京王線・西調布駅から歩いて5分ほどの、品川通りに沿った建物の1階にあります。目印は“Have a beautiful day”をもじった「HAVE A BEERTIFUL DAY」の文字が書かれた看板。日本語にするなら“素敵なビール日和を”というような意味合いのフレーズです。
手紙社は雑書編集者の北島勲さんと渡辺洋子さんが2008年に創業した会社で、カフェ・雑貨店・書店の運営など、多岐にわたる事業を展開しています。年間を通してイベントも主催していて、3日間で5万人以上が集まるという「東京蚤の市」や各地で開催される「紙博」「布博」はおなじみの行事。イベントに参加したことのある方もいるのでは?
お店にしてもイベントにしても、かわいい紙モノや雑貨を扱っているイメージがある手紙社がなぜクラフトビールを手掛けることになったのか? それは、創業者の北島さんが大のビール好きで、手紙社のスタッフもビール党の方が多かったからなのだそう。
TEGAMISHA BREWERYは、ゆくゆくは自家醸造をはじめる前提で、まずはこの場所で営業していたカフェをリニューアルし2020年6月にビアパブとして開業。北島さんの中学時代の同級生で北島さん同様にビール好きの藤野武郎さんをブルワーとして迎えました。オープンした時期が新型コロナウイルス流行の真っただ中だったため、自家醸造をはじめるまでにはかなりインターバルがありましたが、2023年に入ってから醸造設備を整備し、4月に醸造免許を取得。8月に初のオリジナルビールをリリースしました。
店内で流れている音楽はいつも、ビートルズの楽曲。これはビートルズファンの北島さんの発案によるもの。藤野さんもビートルズが好きで、広々としたお店の壁にはブルワリーのステッカーに混じって藤野さんの私物だというビートルズのレコードジャケットが飾られています。
オリジナルビールと国内の人気ブルワリー、13種類のクラフトビールを提供するビアパブ
パブでは、自社醸造のオリジナルビールとゲストビール、合わせて13tapのビールを提供しています。ゲストビールはおもに国内のブルワリーのものをラインナップしていて、うちゅうブルーイングやWest Coast Brewing、VERTEREなどの人気ブルワリーから、TEGAMISHA BREWERYのご近所・多摩エリアのマイクロブルワリーのものまで選りすぐりのビールが飲めます。取材当日(2023年12月)は、カマドブリュワリー(岐阜県)、麦雑穀工房(埼玉県)、京都醸造(京都府)のビールもつながっていました。
オリジナルビールは2024年1月現在3tapの提供。これから自家醸造ビールのtap数が増えていくかもしれません。
店内奥の醸造所で自家醸造がスタート!
TEGAMISHA BREWERYのブルワー・藤野さんは、いくつかのブルワリーで醸造の勉強をするなかで、東京都狛江市の和泉ブルワリーにも通いました。和泉ブルワリーは北島さんの推しブルワリーで、特に定番ビールの1つ「Norweigian Set Upper」(Pale Ale)がお気に入り。TEGAMISHA BREWERYで最初に仕込んだビールは、この「Norweigian Set Upper」をリスペクトした「ペールエール」でした。
取材当日(2023年12月)につながっていたのは「ペールエール」の3バッチ目で、ファーストバッチよりも味わいを濃厚に、アルコール度数を高めに仕上げた1杯。柑橘系のフレーバーで苦味もそこまで強くなく、スッキリとした印象。
もう1杯、「ゴールデンビターエール」をオーダー。オリジナルビール第5弾の銘柄で、モルトの味わいを堪能できるビール。ホップフォワードなビールに飲み疲れを感じた時にオーダーしたくなる味。
ビール名は現状ではスタイル名を前面に出していますが、今後は個別の名前がついていくかも。2024年1月下旬のタップリストには、ビートルズの名曲の名を冠した自家醸造ビール「In My Life」(IPA)がラインナップしています。
食事もおつまみも◎TEGAMISHA BREWERYならではのフードメニュー
TEGAMISHA BREWERYのパブのフードメニューは、カフェを展開している手紙社ならではの充実ぶり。メニューは「手紙舎 つつじヶ丘本店」(書店・雑貨店とカフェ)で経験を積んだ後、お酒好き・ビール好きということで抜擢され店長に就任した濱野さんや、お店のスタッフが考案しています。他のパブではあまり見かけない“カフェっぽい”フードが多数オンメニューしています。
おすすめなのはオランダ風のクリームコロッケ「ビターバレン」。ひき肉としめじ、パセリの入ったベシャメルソースを細かめのパン粉の衣で包んで揚げていて、サクサク、トロッとして美味。仕込みに時間のかかる、かなり手の込んだ一皿です。
最近メニューに加わったという「チキンフリカッセ」は、濱野さんがレシピを組み立てた一品。もともと「手紙舎 つつじヶ丘本店」でも出していたお料理です。他にも「鯖とじゃがいものテリーヌ」、「黒ビールで煮込んだミートソースラザニア」など、ビストロやトラットリアで出てくるようなフードやブルワリー併設のパブならではのメニューがオーダーできます。
2階は“夜の本屋”!クラフトビールが飲める新店もオープン予定
2023年11月、TEGAMISHA BREWERYの2階には「TEGAMISHA BOOKSTORE」がオープン。手紙社がセレクトした本と、紙モノや文具など手紙社のオリジナル雑貨がそろうお店です。タップルームの2階ということもあって遅めオープンで夜まで営業(2024年1月現在、平日は16時~21時、土・日・祝日は12時~21時 ※定休日はブルワリーと同じ火曜)。“本とクラフトビールを楽しむ「夜の本屋」”がコンセプトです。
さらに2024年の春以降、調布市内・京王線国領駅近くにも手紙社の新しいお店がオープンし、店内でTEGAMISHA BREWERYのビールが飲めるようになるとのこと。企画は現在進行形で進んでいますが、サウナが併設されるという情報も! 自家醸造ビールとサウナ、期待大です。最新情報は手紙社のホームページやインスタグラムでご確認ください。
“ビアパブ”というと、なんとなくマッチョなお店のイメージが浮かんできませんか。TEGAMISHA BREWERYのお店はもっとゆるっとしたムード。ビートルズの曲をバックに静かに読書しながらクラフトビールが飲めます(もちろん、仲間とワイワイするのもOK)。おいしい食事を楽しみたい方にも◎。クラフトビールとフードを満喫しながらくつろいだ気分でまったり過ごしたい時に訪れてみては? 手紙社主催のイベント会場でTEGAMISHA BREWERYのビールが提供されることもあるので、注目してください!
TEGAMISHA BREWERY
〒182-0034 東京都調布市下石原2-6-14
営業時間:月曜16:00~21:00、水~金曜16:00~22:00、土曜・日曜・祝日12:00~22:00
定休日:火曜
※営業時間や定休日は2024年1月現在の情報です。お出掛け前にSNS等で最新の情報をご確認ください。
【関連サイト】
TEGAMISHA BREWERYインスタグラム
手紙社
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