ビール醸造所が造った果汁たっぷりの微炭酸サワー発売!AJB×530が宮崎県日南市の柑橘農家とコラボ

530ポップアップ

宮崎県日南市の柑橘農家と、クラフトビールブルワリー・AJB、循環する暮らしをめざす活動家のコミュニティ・530がコラボ! 旬のグレープフルーツを贅沢に使ったジューシーなサワー「GRAPEFRUIT SOUR」をリリースしました。2023年5月に東京都渋谷区・代官山で開かれたポップアップイベントの様子をレポートします。

AJBと530が、新たな取り組みをスタート!

長野県野沢温泉村で開業し、神奈川県横浜市にも醸造拠点を持つAJB Co.(Anglo Japanese Brewing Company)と、“0waste”(ゼロウェイスト)をコアコンセプトにゴミを出さない経済循環を提案する一般社団法人 530(ゴミゼロ)。AJBと530といえば、サンドイッチの調理過程で出るパンの切れ端をアップサイクルしたビール「Bread」を企画・製造。2019年に発売して以来順調にバッチを重ねて、今ではレギュラー商品としてすっかり定着しています。

今回、AJBと530は新たに農家とタッグを組み、味は抜群においしいけれど傷がつくなどして出荷しにくい果実とスピリッツを使って「GRAPEFRUIT SOUR」をリリースしました。

530のロゴ
一般社団法人530のロゴ
ポップアップ店内
六本木のベーカリー「bricolage bread & co.」のパンの切れ端を使ったビール「Bread」(左)と、「GRAPEFRUIT SOUR」(中央)、柑橘農家「緑の里りょうくん」のグレープフルーツ

日南市の柑橘農家とコラボした「GRAPEFRUIT SOUR」

2023年5月23日・24日、グローサリーストア「FOOD&COMPANY 代官山T-SITE店」
店内で開催されたポップアップイベントで「GRAPEFRUIT SOUR」が販売されました。お店を訪問して530の代表・中村元気さんにお話しを聞きました。

「FOOD&COMPANY」
代官山T-SITE内にあるグローサリーストア「FOOD&COMPANY」

「GRAPEFRUIT SOUR」は、宮崎県日南市の柑橘農家「緑の里りょうくん」が育てた、農薬節制栽培、ワックスフリー、防カビ剤・防腐剤不使用のグレープフルーツを丸ごと使用。実が完熟した後に青みがかってくる現象(回青=かいせい)や、花が咲く時期の若い実にミツバチの足が当たるなどしてついた傷などによってそのままでは販売しにくい果実をジュースにし、スピリッツと合わせたサワーです(品目としてはリキュール。ビアスタイルの1種・サワーエールではありません……)。この商品はグレープフルーツの新たな楽しみ方を提案し、農家さんを支援することも目的としています。

GRAPEFRUIT SOUR
緑の里りょうくん×AJB×530「GRAPEFRUIT SOUR」
緑の里りょうくん
宮崎県日南市「緑の里りょうくん」のグレープフルーツと収穫の様子。果実は県内でジュースにして、AJBの横浜の醸造拠点に運んだ
写真提供:530

中村さんは今回、「緑の里りょうくん」の果樹園で収穫作業に参加。AJB Co.の横浜の醸造拠点「里武士・馬車道」でサワーの仕込みも手伝ったのだそう。

「果物を栽培する中で、傷がつく果実はどうしても出るんですね。それに、実のなる場所によって日の当たり方が違い1本の木の中でも差が出て、どんどん成長してしまう実が出てくる。でも“回青”が生じているということは完熟の証拠でもあり、見た目的にはB級品・C級品でもジュースにすればすべてA級品。今回使ったジュースも、苦みが少なく角がない、やわらかい味わいです」(中村さん)

GRAPEFRUIT SOUR
甘さもあって、グビグビ飲める「GRAPEFRUIT SOUR」。ビアパブでは、ビールの合間に飲むとちょうどいいかも。ビールが苦手な方にもおすすめ

「GRAPEFRUIT SOUR」はグレープフルーツ果汁10%含有でジューシー、微炭酸で飲みやすい仕上がり。いわゆるRTD(Ready to Drink、水や炭酸で割ることなくそのまま飲める飲料)で気軽に飲めます。缶商品のほかに樽でもリリースしており、「里武士・馬車道」のタップルーム等ではドラフトで提供予定です。

「ビールが好きな人と苦手な人が一緒に飲みに行った時にそれぞれが楽しめるように、ビールだけでなくサワーがタップにつながっているカルチャーも広げたいです。そこに、僕たちとしては、B級品と言われてきたものをA級品に引き上げるような文脈を提案して、課題を解決しながらフルーツの魅力を発信していこうと。

正直なものづくりを伝えて、つないでいくというのが肝で、無農薬や、柑橘であればワックスフリー・防カビ剤不使用とか、安心安全で持続可能な農業を営むいろんな農家さんと、顔が見える形で、今後もコラボレーションしていこうと思っています」(中村さん)

530が応援していきたいと思える農家さんと、これからもコラボを続けていく予定。今後、ビアパブ等でサワーのタップリストにも注目です。

【関連サイト】
530インスタグラム

530オフィシャルサイト

AJB Co.オフィシャルサイト

ポップアップストアにほほかにもこんな商品が

「FOOD&COMPANY 代官山T-SITE店」のポップアップには「GRAPEFRUIT SOUR」のほかに、びんをリサイクルしたコップ「BINKOP」(ビンコップ)と、日本のハーブで造ったハーバルドリンクのブランド「Verseau」(ヴェルソー)が出店していました。

ポップアップ店内
2023年5月23日・24日のポップアップ。左から、「Verseau」の村田さん、530の中村さん、大川硝子工業所の大川さん

“このコップはびんです”「BINKOP」

「BINKOP」は使用済みガラスびんをおもな原料とし、ガラスびんの製法で造られた日本製のガラスコップ。ガラスびんの企画販売を行う株式会社大川硝子工業所の商品で、代表取締役の大川岳伸さんは530のメンバーでもあります。

BINKOP
化粧箱に入った「BINKOP」。プレゼントにも◎
「BINKOP」
底にあるギザギザ模様や側面の縦筋は、「BINKOP」がコップでもあり、びんでもある証し

「このコップはびんです。」のキャッチコピーが気になりますが、そもそも“ガラスびん”の基準は、①製造ラインでびんが破損しないように底につけられたギザギザ模様(ナーリング)、②金型の合わせ目で側面についた縦筋、③「ネジ口」、のいずれかがあるかどうか。「BINKOP」は底のギザギザと縦筋があり、れっきとしたガラスびんなんです。日本のガラスびんは水平リサイクル(使用済み製品が、再び同じ製品に生まれ変わるリサイクルシステム)が浸透していて、「BINKOP」も再びびんとしてリサイクルすることが可能。

BINKOP
写真:大川硝子工業所プレスリリースより

ガラスびんだけあって肉厚で丈夫な造り。「飲み口が牛乳瓶のようで、ミルクとの相性がいいです」と大川さん。濃厚な味わいの濃い色系クラフトビールにも合いそう。「BINKOP」は大川硝子工業所のオンラインショップでも販売中です。

【関連サイト】
大川硝子工業所オフィシャルサイト

大川硝子工業所オンラインショップ

大川硝子工業所インスタグラム

日本のハーブを使ったハーバルドリンク「Verseau」

「Verseau」のコンセプトは、“素直なわたしになる” 。ハーブの持つちからを日々の生活に取り入れる提案をしています。代表の村田さんは日本各地のハーブ畑を訪ね歩き、丁寧に育てられたハーブを厳選してハーバルドリンクに仕上げました。

「Verseau」のハーバルドリンク
「Verseau」のハーバルドリンク。ポップアップではハーブの展示も
Verseauハーバルドリンク
「Akeru」と「Kureru」。パッケージもおしゃれ

この日販売されていた商品は、起き抜けの一杯や、日中のリフレッシュにおすすめの「Akeru」。レモンバーベナーやスペアミントなどに加え、黒文字の枝やヨモギなど、日本人にとって馴染みのあるハーブも入っています。「Kureru」は、1日の終わりに緊張をほどいてくれるブレンド。カモミールやタイム、ラベンダーの棒茶を使っています。
※ハーブのブレンドはバッチを重ねるごとに少しづつ変わります。

ハーブティーにするのはもちろん、シロップの材料にしたり、アルコールに漬けこんでリキュールするのも◎。サイトから通販もできます(人気商品のため2023年5月時点では売り切れ中)。

【関連サイト】
Verseauオフィシャルサイト

Verseauインスタグラム

今後のイベント出店もチェック

ポップアップ店内

今回ポップアップショップに出店していた3社の商品は、今後もイベントなどで出会うこともあるかも。商品の情報や出店状況は各社の公式SNSで確認してください!

【関連ページ】
野沢温泉と横浜の香りを併せ持つタップルーム「里武士 馬車道」

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のび子

日本文化にまつわる分冊百科の編集担当を経て、料理専門誌編集部へ。食のサステナビリティ、クラフトビールが生み出す地域のコミュニティ・資源循環を取材。超少食だが酒はわりと強い。

よなよなの里