「常陸野ネストビール」で知られる茨城県の酒造メーカー・木内酒造は、2023年7月下旬、ビール等に使う麦芽を造る製麦工場を本格稼働しました。
フクロウのイラストでおなじみ「常陸野ネストビール」
木内酒造は1823年創業の老舗の酒蔵。茨城県那珂市を拠点として日本酒の製造を開始し、1996年にビール醸造をスタート。フクロウのイラストでおなじみの「常陸野ネストビール」のブランドを立ち上げました。
コリアンダーやオレンジピールが香る小麦麦芽のビール「ホワイトエール」は常陸野ネストビールの定番。国産素材を使ったシーズナルなビールも人気です。木内酒造はその後ウイスキー事業にも参入して、2022年には「日の丸ウイスキー」を発売しています。
国産大麦を自社でモルティング、木内酒造が製麦工場を新設
ビールやウイスキーの主原料は、大麦や小麦を発芽させた“麦芽”。
木内酒造は2009年、茨城県内の耕作放棄地で国産大麦「金子ゴールデン」の栽培を開始し、「常陸野ネストビール」や「日の丸ウイスキー」の原料の一部として使用してきました。麦を発芽させる加工「製麦」(=モルティング)はこれまで外部に依頼していましたが、今回、茨城県石岡市にある「木内酒造 石岡の蔵」敷地内に自社の製麦工場を新設。2023年5月より試験運転を実施、7月下旬から本格稼働します。
自社製麦でその土地ならではの味わいを追求、地域農業の活性化
麦を発芽させて麦芽にする“製麦工程”を自社で行う最大のポイントは、自社のビール、ウイスキーの品質に合わせた最適な麦芽品質を自社で担保できること。輸入麦芽に比べコストは高くなりますが、その土地ならではの味わいやより高い品質が追求できます。さらに、地元農家と協力し穀物の栽培を行うことは、地域農業の活性化にもつながります。
製麦設備は、一度に5トンの麦を加工するドラム式と、500キログラムを連続で加工する伝統的なフロアモルティングの設備があり、年間約500トン(ドラム式:460トン、フロアモルティング:40トン)のモルト製造が可能。2023年には約96トン(小麦麦芽、発芽米を含む)を製造予定。
主原料のモルトやホップをほぼ輸入品に依存してきた日本のビール。今後、国産の原料を使った地域色豊かなビールが飲めるようになるのが楽しみです!
木内酒造 石岡の蔵
所在地:茨城県石岡市東大橋2972
【関連サイト】
[お知らせ]国産麦芽製造を自社で 木内酒造(石岡の蔵)にて”製麦工場”を始動
【関連ページ】
「麦ノ秋音楽祭2023」に行ってきた!コエドブルワリーはなぜビールの原料・大麦の自家栽培に取り組むのか?
のび子
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