日本銘柄が金賞4本! 2022ワールドビアカップ速報

ワールドビアカップ

米国のビール業界団体ブルワーズアソシエーション(BA)が主催する、世界最大のビール審査会ワールドビアカップ(WBC)がミネソタ州ミネアポリスで開催され、日本から出品された銘柄は4本が金賞、2本が銅賞を獲得した。

ワールドビアカップ2022キャプション

受賞したのは以下。

・宮崎ひでじビール「栗黒」(スペシャルティービール部門、金)
・ハーヴェスト・ムーン「ピルスナー」(ドルトムンダー/エクスポートまたはジャーマンスタイルオクトーバーフェスト部門、金)
・秋田あくらビール「なまはげIPA」(インターナショナルIPA部門、金)
・ファーイーストブルーイング「Far Yeast 東京ホワイト」(スペシャルティーセゾン部門、銅)
・アウトサイダーブルーイング「ザシスインペリアルスタウト」(ブリティッシュスタイルインペリアルスタウト、銅)
・平和クラフト「レッドエール」(アイリッシュスタイルレッドエール、金)

日本の銘柄はこれまで初回の1996年から毎回受賞を果たし、特に2000年の14個(金4、銀6、銅4)や2016年の9個(金5、銀2、銅2)と高い成績を残してきたが、今回は金の比率の高さが際立っている。

現地で授賞式に参加し、「ピルスナー」で金賞を獲得したハーヴェスト・ムーンの園田智子さん
現地で授賞式に参加し、「ピルスナー」で金賞を獲得したハーヴェスト・ムーンの園田智子さん

今年のWBCには57国・地域の2,493ブルワリーから10,542の銘柄が出品された。世界最大のビール審査会は2021年までは、同じくBAが毎年開催する米国銘柄のみが対象の審査会グレートアメリカンビアフェスティバル(GABF。2021年は9,680銘柄が出品)だったが、WBCが「国際的(米国外の銘柄も審査対象になる)」と限定しなくても「世界最大の審査会」になったかたちだ。

ワールドビアカップ2022会場

今回の部門数は103で、それぞれで金銀銅が授賞された(ただしベルジャンスタイルヴィット部門のみは金銀が該当なし)。出品が多かった部門はアメリカンスタイルインディアペールエール(384銘柄)、ジューシーまたはヘイジーインディアペールエール(343銘柄)、ジャーマンスタイルピルスナー(254銘柄)、木片または木樽長期熟成ストロングスタウト(237銘柄)、インターナショナルピルスナーまたはインターナショナルラガー(231銘柄)、ミュンヘンスタイルへレス(202銘柄)などだった。

さらに、今後のWBCは毎年開催とされ、既に発表されていた2024年ネバダ州ラスベガスと2026年ペンシルベニア州フィラデルフィアに加え、2023年はテネシー州ナッシュビルでの開催が発表された。また2025年も他の年と同じくクラフトブルワーズカンファレンスとブルーエクスポアメリカと連続した日程で同じ会場ならば、開催地はインディアナ州インディアナポリスとなる。

【2022年5月6日追記】
5月6日時点で日本での販売が確認できた海外受賞銘柄は以下。

・Fort Point Beer「Yuzu KSA」(フルーツビール部門、金、米国)
・Denver Beer「Denver Graham Cracker Porter」(スペシャルティービール部門、銅、米国)
・Industrial Arts Brewing「Metric」(ジャーマンスタイルピルスナー部門、銅、米国)
・Bayerische Staatsbrauerei Weihenstephan「Weihenstephaner Hefeweissbier Dunkel」(ジャーマンスタイル小麦エール部門、金、ドイツ)
・Beachwood Blendery「Funk Yeah」(ベルジャンスタイルサワーエール部門、銅、米国)
・Brauerei Michael Plank「Plank Original Hefeweizen」(ジャーマンスタイル小麦エール部門、銅、ドイツ、※日本で「ヘフェヴァイツェン」として流通している銘柄と同一)
・Brasserie du Pays Flamand「Anosteké Blonde」(ベルジャンスタイルストロングスペシャルティーエール部門、金、フランス)
・Brouwerij Malheur「Malheur 10」(ベルジャンスタイルストロングスペシャルティーエール部門、銀、ベルギー)
・Oud Beersel「Oude Kriek Oud Beersel」(ベルジャンスタイルフルーツビール部門、銀、ベルギー)
・Parallel 49 Brewing「Craft Pale Ale」(イングリッシュエール部門、銀、カナダ)
・The Lost Abbey「King Of Tyre」(オールドエールまたはストロングエール部門、銅、米国)
・Karl Strauss Brewing「Aurora Hoppyalis IPA」(アメリカンスタイルIPA部門、銅、米国)

写真提供:Brewers Association

※編集部より
以上のほかにも国内販売をしている銘柄がありましたらぜひ情報をお寄せください

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長谷川小二郎

執筆、編集、英日翻訳などを手掛ける著述家。ビール専門誌『ビールの放課後』発行人・編集長。2008年から、米ワールドビアカップ(WBC)、グレートアメリカンビアフェスティバル(GABF)など、世界上位の国際ビール審査会で審査員。日本地ビール協会(クラフトビアアソシエーション)講師として、ビールと料理を合わせる理論と実践を学べる「ビアコーディネイターセミナー」講師。日本ベルギービール・プロフェッショナル協会(JBPA)上級認定講師として「ビールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座」テキスト執筆・講師、「ベルギービール・プロフェッショナル ベーシック講座」講師。書籍最新作は日本語版監修・訳『クラフトビールフォアザギークス』。他に共著・訳『今飲むべき最高のクラフトビール100』など。日本ビール検定1級は7回連続合格、2022、2023年は首席。『知って広がるビールの世界 日本ビール検定公式テキスト(2024年4月改訂版)』ではJBPA講師として執筆協力、「ビールの放課後」が主要参考文献に採用。

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