どうなるStone?サッポロ子会社化で定番ビール「Stone IPA」の流通網は変わるのかアンテナアメリカで聞いてみた!

Stone Brewing

サッポロビール株式会社の子会社Sapporo U.S.A.,Inc.(以下Sapporo USA社)は、アメリカ・カリフォルニア州のクラフトビールブルワリーStone Brewing Co.,LLC(以下Stone社)を子会社化することを発表しました。クラフトビール愛飲者にとっては驚きのニュース! 今後、日本国内でのStoneのビール流通網に影響はあるのか? これまでStoneのクラフトビールを日本に輸入してきたインポーター・株式会社ナガノトレーディングとサッポロビール株式会社に聞きました。

Sapporo USAがStoneを子会社化!北米事業の成長・グローバル展開を推進

Sapporo USA社は「グローバル成長の推進」の一環として、Stone Brewing Holdings, LLCが保有するStone社の持分売買契約を締結し、同社を子会社化することになりました(契約締結日は2022年6月24日)。

Stone社は現在、ビール類製造販売事業・飲食店事業・酒類卸事業を保有。そのうち酒類卸事業は切り離してStone Brewing Holdings, LLCの新設子会社に譲渡した後、Sapporo USA社がStone社の持分を取得します。持分取得日は2022年8月の予定です。

ビール
Stone Brewingの商品
Stone社の工場
カリフォルニア州エスコンディードにあるStone社の工場

Stone社は1996年にカリフォルニア州サンディエゴで創業したブルワリー。創業1周年のアニバーサリービールとして1997年にリリースされた「Stone IPA」はホップのフレイバーを前面に押し出した味わいで熱狂的な人気を呼び、ウェストコーストスタイルIPAの王道としてビアギークにとって超定番の銘柄になりました。

Stone社はカリフォルニア州エスコンディードに拠点を移し事業を拡大。現在は東海岸・ヴァージニア州リッチモンドにも工場を持っています。今回、Sapporo USA 社は米国の東西にあるStone社の2工場を取得し、「サッポロブランド」のビールの生産拠点に。これまでは他国の工場から商品を輸入して米国内で販売していましたが、消費地に近いエリアに生産拠点を構えることで、物流コストの削減と品質安定化を目指します。Stone社側は今後、Stoneのビールに加えて「サッポロブランド」の商品を生産することで2工場の製造能力を最大限に活用。稼働率は現状の約2倍に改善することが見込まれます。

日本での流通はどうなる?アンテナアメリカで聞いてみた!

日本のクラフトビール愛飲者やStoneファンは、国内での流通に影響があるのか気になりますよね……。酒類卸事業は切り離しての子会社化ということですが、「Stone IPA」をはじめとしたStoneのビールは日本で今まで通り飲めるんでしょうか。

アンテナアメリカ外観
「アンテナアメリカ東京」の店舗

このニュースが発表になった6月下旬、Stoneのビールを日本に輸入している株式会社ナガノトレーディングの直営店「アンテナアメリカ」に立ち寄ってショップスタッフに聞いてみたところ、「これまでと変わらず『アンテナアメリカ』で飲めます!」とのこと。

デジタルサイネージ
「Stone IPA」は「アンテナアメリカ」の冷蔵ケースにいつも並ぶ定番商品
アンテナアメリカ店内
「アンテナアメリカ」は、アメリカのクラフトビールに特化した品ぞろえ

さらに、PR担当者にも問い合わせをしてみました。

株式会社ナガノトレーディングのマーケティング/PR/ECマネージャー・中島さんは「アンテナアメリカ」各店でのStone商品の取り扱いについて「ドラフト、パッケージ、グッズ含め、取り扱い変更の予定はありません」と回答。ナガノトレーディングは引き続きStoneのインポーターとして商品を輸入し「日本国内のお得意先様にも取り扱い変更の予定はありません」ということで、全国の酒販店やビアパブでの扱いも変わりません。「Enjoy By」シリーズなど、おなじみの限定商品もこれまで通り販売されるそう。

これからもStoneのビールを楽しもう!

では、サッポロビールの販売ルートなどを通じてStoneのビールの流通網が広がることはあるのか? サッポロビール株式会社の広報部に問い合わせると「現時点でお話しできる決定事項はありません。今後、何か変化がございましたら、適宜適切にご案内していきたいと存じます」とお返事をいただきました(2022年7月現在の情報)。

ビール

今回の子会社化では酒類卸事業については新設子会社が引き継ぐということで、Stoneの商品流通には当面大きな影響はないようです(2022年7月現在)。今後も変わらずStoneのビールが楽しめそうですね!

最後に、ナガノトレーディングからいただいたコメントをご紹介します。

「弊社はアメリカに特化した輸入業者として、今までも、これからも、おいしい商品の輸入だけでなく、そのおいしさを満喫する楽しさを皆様にお届けすることが役割です。引き続きご愛顧いただけましたら幸いです」

【参照ページ】
サッポロビール株式会社ニュースリリース「米国ストーン・ブリューイング社の全持分取得により北米事業成長の推進にむけた生産拠点を獲得」

【関連サイト】株式会社ナガノトレーディング

【関連ページ】
【東京・八重洲】アンテナアメリカの新店に行ってみた!超定番~限定ビール、グッズまでアメリカのクラフトビールを満喫

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