日本銘柄が金賞含む5本受賞! 2023ワールドビアカップ速報

ワールドビアカップ

米国のビール業界団体ブルワーズアソシエーション(BA)が主催する、世界最大のビール審査会ワールドビアカップ(WBC)の第14回がテネシー州ナッシュビルで開催され、日本から出品された銘柄は金賞が1本、銀賞と銅賞が2本ずつの合計5銘柄が受賞した。

受賞したのは以下。

金賞
・アメリカンベルゴスタイルエール部門:ブルークラシック「ドリス ノ ジャガー ヲ」

銀賞
・ケラービアまたはツヴィッケル(無濾過)ビア部門:宮崎ひでじビール「太陽のラガー」
・スペシャルティーセゾン部門:家守酒造「茶かぶき」

銅賞
・フルーツウィートビール部門:キリン・スプリングバレーブルワリー(京都)「ジャズベリー」
・南ドイツスタイルヘーフェヴァイツェン部門:富士桜高原麦酒「ヴァイツェン」

日本の銘柄はこれまで初回の1996年から毎回受賞を果たし、特に2000年の14個(金4、銀6、銅4)や2016年の9個(金5、銀2、銅2)、前回である2022年(金4、銅2)などで高い成績を残してきた。今回は60者が223銘柄を出品した。

今年のWBCには51国・地域の2376ブルワリーから1万213の銘柄が出品された。前回の同57国・地域、2493ブルワリー、1万542と比べると微減となっているが、世界最大のビール審査会である。ちなみに2番目に大きいのが、最新回である2022年に9904銘柄を集めた、WBCと同じくBAが主催するグレートアメリカンビアフェスティバル(GABF。ただし出品は米国内からのみ)である。

またWBCは1996年から2018年までは隔年の開催だったが、2020年はコロナ禍の影響で中止、2022年はミネソタ州ミネアポリスで開催された。その後、2023年の今回に続いて、2024年はネバダ州ラスベガス、2025年はインディアナ州インディアナポリスでの開催が発表されていることもあり、2022年から毎年開催に切り替わっていることになる。

2023年ワールドビアカップ授賞式の様子
2023年ワールドビアカップ授賞式の様子

今回の部門数も前回に続いて103で、それぞれで金銀銅が授賞された(ただしエクスペリメンタルインディアペールエール部門とイングリッシュエール部門ではそれぞれ金が該当なしのため、全体で授与されたメダルの数は307)。出品が多かった上位5部門は、アメリカンスタイルインディアペールエール(412銘柄)、ジューシーまたはヘイジーインディアペールエール(374銘柄)、インターナショナルラガー(220銘柄)、ジャーマンスタイルピルスナー(233銘柄)、木片または木樽長期熟成ストロングスタウト(202銘柄)で、前回とほぼ同じ顔ぶれだった。

今回から新たにコンペティションディレクターを務めているクリス・ウィリアムズは「WBCには、世界中から最高のブルワーとビールが集まり、創造性、匠の技、そして素晴らしいビールへの情熱が称えられます。WBCでの受賞は高い品質と革新性を持つことの証しです。今年の受賞者が受賞レベルをこれまで以上に押し上げたことを称賛します」と述べている。

写真提供:Brewers Association

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長谷川小二郎

執筆、編集、英日翻訳。ビール専門誌『ビールの放課後』発行人・編集長。2008年から、米ワールドビアカップ(WBC)、グレートアメリカンビアフェスティバル(GABF)など、国際的かつ上位ビール審査会で審査員。日本地ビール協会(クラフトビアアソシエーション)講師として、ビールと料理を合わせる理論と実践を学べる「ビアコーディネイターセミナー」講師。日本ベルギービール・プロフェッショナル協会上級認定講師として「ビールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座」テキスト執筆・講師、「ベルギービール・プロフェッショナル ベーシック講座」講師。書籍最新作は日本語版監修・訳『クラフトビールフォアザギークス』。他に共著・訳『今飲むべき最高のクラフトビール100』など。日本ビール検定1級は6回連続合格、2022年は首席。

よなよなの里