夏の激しい暑さが落ち着き始めた10月。薄手のカーディガンを羽織るくらいがちょうど良いくらいの気候となったこの時期には、オクトーバーフェストをはじめとした、ビールのイベントが全国各地で多数開催される。
今回訪れたのは、東京都府中で開催された「むさし府中ビール祭り」。2016年に第一回が開催されたという、まだ新しいビール祭りながら東京・埼玉や、神奈川の一部のブルワリーが20以上参加した、注目度の高いイベントだ。
「醸造の神」が鎮座する神社でのビール祭り
「むさし府中ビール祭り」の会場となる大國魂神社は、「醸造の守護神」大山咋神(おおやまくいのかみ)の「松尾神社」が鎮座している、ビール(醸造)と所縁のある場所なのだ。当日は朝まで雨が降っていたが、イベントスタート時にはすっかりと止み、すっきりとした秋晴れとなった。「醸造の守護神」が、このビール祭りのために天気を回復させてくれたのかと思うほど、見事な晴天だった。
イベントの入場料は2,000円(前売り1,800円)で、入場券とチケットが5枚付いてくるシステム。チケット1枚で150ml程度のビール1杯と交換できるので、最低でも5杯は飲み比べができるようになっている。5杯以上飲みたい場合は、1枚300円でチケットを追加購入することができる。
会場の様子
知らないブルワリーのビールを飲んでみる、同じスタイルのビールを飲み比べる、自分好みの一杯を見つけるなど、参加者は各々の楽しみ方でビール祭りを堪能していた。
会場ではビールに合うフードが多数販売されていたので、飲食コーナーに腰を据え、食事をしながらビールを楽しんでいた人も多かった。
気になったビールを飲み比べ!
AQ BEVOLUTIONの「CITRA-HERO IPA」、「Damiate DRIPA」
アメリカやヨーロッパのビールを輸入販売している、インポーターの「AQ BEVOLUTION」のブース。日本初上陸だという「Damiate DRIPA」は、ライ麦由来のスパイシーさとガツンとした苦味が強烈な一杯。ビールの横で販売していたジャークチキンとの相性も抜群!
Far Yeast Brewingの「ゆずセッション」
山梨に醸造所を持ち、個性的なビールを作っている「Far Yeast Brewing」のブースでは、高知県のゆずを使った、限定醸造のセッションIPAを頂いた。鼻を近づけただけでもわかる、ゆずの香り。さわやかなゆずの風味がありながらも、ビールらしい苦味も感じられるバランスの取れたセッションIPA。ゴクゴク飲めるドリンカブルな一杯。チケットをもう1枚使って、お代わりするほど気に入ったビールだった。
フードブースで売っていた、厚揚げをおつまみに。厚揚げの薬味にゆずの風味がプラスされたみたいで、とっても美味しい!こうやって、ビールと食事の「ペアリング」を探すのも、ビール祭りの醍醐味の1つなのかも!
ジュートの「Tiny Rebel クラブ・トロピカーナ」
最後の1杯に選んだのは、海外ビールを輸入している「株式会社ジュート」の「Tiny Rebel クラブ・トロピカーナ」。
ホップのフルーティーさを存分に感じることができる、ジューシーなIPA。マンゴーやパイナップルのフレーバーが口いっぱいに広がる、まさに“トロピカル”な1杯だった。フルーティーなビールなので、女性人気が高かったようだ。
取材後記
今回で2回目となった「むさし府中ビール祭り」。地元に密着したイベントながらも、遠方から訪れる人がいるなど、イベントに対する注目度が高いことが伺える。緑生い茂る神社の境内でのイベントということで、参加者もどことなくのんびり、肩肘を張ることなく穏やかな雰囲気で楽しんでいたように見えた。
10月も後半になると、徐々に寒くなってくるので「外ビール」で盛り上がれるイベントもこの時期が最後。やっぱり、自然の中で飲むビールは格別な美味しさがある。今年の盛況具合をみていると、来年ももちろん開催してくれるはず!
今年参加できなかった人は、ぜひとも来年行ってみてほしい。
山下 貴將
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