暑い季節が間近にせまってきました! 今年の夏も、おいしいビールで家飲みしたいですね。「My CRAFT BEER」編集部は、炭酸入りのドリンクを持ち運べる水筒・グラウラー(グロウラー)を携えて、クラフトビールのテイクアウトや量り売りに対応しているお店を巡っています。
今回は恵比寿にある「Liquor Shop NIGHT OWL」(リカーショップ ナイトオウル、以下「NIGHT OWL」)にうかがい、イタリア・ウンブリア州のクラフトビールをお持ち帰りしました!
恵比寿の量り売り専門店「NIGHT OWL」
東京・渋谷区恵比寿にある「NIGHT OWL」は、2014年にオープンした量り売り専門の酒販店。クラフトビールをはじめとした酒類や食品の量り売り・テイクアウトは最近広まりつつありますが、「NIGHT OWL」は7年も前からこのジャンルに特化して営業しています。
店舗は恵比寿通り沿いのビルの1階、建物のかなり奥の方の1室にあります。「NIGHT OWL」とは、直訳すると“夜のフクロウ”ですが、夜更かし、宵っ張り、夜に出回ることなどを意味するイディオム。店のロゴには樽を掴んで飛ぶフクロウが描かれています。
マネージャーの小菅一範さんは、お店の構想段階から量り売りを軸にしてグラウラーを販売することを考えていたため、オリジナルグラウラーにイラストをプリントして映えるような動物の名称を店名に入れたいと考えて「NIGHT OWL」と名付けたのだそう。ご自身が夜に飲み歩く生活をしていたことも名前に影響しているとか。
店内には量り売り用の酒類が保存されている大きな冷蔵庫やサーバー、有料試飲用のカウンターがあり、クラフトビール、サイダー(シードル)、ミード(蜂蜜酒)、アブサン、クラフトジン、日本酒などさまざまなお酒の瓶・缶商品が並んでいます。
グラウラーの品揃えがすごい!
「NIGHT OWL」はグラウラーのショップでもあります。取り扱うブランドや在庫の状況は時期により変わりますが、品揃えがすごい! 取材当日は「NIGHT OWL」オリジナルのグラウラーをはじめ、DRINK TANKS、FLSK、REVOMAX、UKEG、SANPONI、SHINE CRAFT VESSELなどのグラウラーが展示・販売されていました。
おすすめのブランドをお聞きすると、「人によってグラウラーに求める機能や使い方が違うので、これがおすすめ、というのは難しいんです。用途によって選んでいただければ」と小菅さん。ブランドによって特徴があるので、お店に行って実物を見ながら小菅さんに相談して選べば、自分にとって使いやすいグラウラーが見つかりそうです。
プラカップや、缶に詰めるクラウラーでの持ち帰りもできます。プラカップは400ml、600mlの2サイズの展開で、カップ代は50円。クラウラーは、250 ml、370ml、500mlで、缶代は300円。
さらに、クラフトビールなどの酒類だけでなく、チョコレートやレーズン、ナッツ、カクテル等に入れるシロップなども量り売りしています。 シーズンによっては樽で仕入れた味噌や、自社栽培のホップを量り売りすることもあるそう。ホップはビールやワインに入れて香りを楽しんだり、ハーブティーにしたりと多用途に楽しめます。今後は麦を販売する計画も。
クラフトビールやサイダーなど、常時7タップ
タップにつながっているドリンクは7種。クラフトビールが4タップ。サイダー、ワイン、コンブチャ(発酵飲料)がそれぞれ1タップという内訳です。
クラフトビールのラインナップは、スッキリ・フルーティー・さっぱりしたもの、特別・特殊なもの、IPAなど苦味が強調されているもの、ゆっくり・じっくり飲めるもの、の4パターンを用意するのがほぼお決まり。1つは国内のブルワリーのビールを提供することが多く、同じブルワリーのビールを同時につながないようにしています。
イタリア・ウンブリア州のビールをグラウラーでテイクアウト
では、ビールをお持ち帰りしましょう! この日のタップリストから選んだのは、イタリアのブルワリーBIRRA FLEA(ビッラフレア)の「BIANCA LANCIA」(ビアンカランチア)。オレンジピール、コリアンダーシードを使ったベルジャンホワイトです。ビール名は、ローマ皇帝の愛妾だった貴族出身の女性の名前。
BIRRA FLEAの醸造所があるウンブリア州グアルドタディーノは名水の産地。豊かな水源を活かして、使用する大麦はすべて自社農園で栽培しています。ブルワリーの母体となっているのは自然エネルギー関連の会社で、醸造所の屋根には太陽光パネルが敷き詰められ、ビール製造に必要とされる電力のほぼ100%を太陽光エネルギーで調達。エネルギーまでローカルでまかなっているクラフトビールです。
編集部が持ち込んだグラウラーをお渡しすると、小菅さんが丁寧に洗ってくれました。キャップはパッキンをはずして分解して洗浄。今回オーダーしたビールはしっかり冷えていた方がおいしいということで、最後に冷水を入れてグラウラーの内部を冷やしてからビールを注ぎ入れます。注いでいる間にビールが酸素に触れないよう、グラウラーを二酸化炭素で満たしながらの充填。非常に丁寧な仕事……。
「NIGHT OWL」では、値段は各ビール100ml単位で価格が表示されています。「BIANCA LANCIA」は100mlで290円。グラウラーはきっちり満杯までビールを詰めるのがデフォルトです。編集部のグラウラーの表示サイズは20オンスですが、満杯まで入れると約630ml入るということで今回はその分のプライスとなりました。お代の計算の仕方はお店によって変わってきます。
フレッシュで厚みを感じる、BIRRA FLEA「BIANCA LANCIA」を味わう
グラウラーでテイクアウトしたビールは長期保存はできませんが、持ち帰ってから冷蔵庫に入れるなどしてしばらく静置し、炭酸を落ち着かせた方がいいとの小菅さんのアドバイスがありました。できれば24時間置いて、一度開栓したら飲みきってしまうのがベスト。
「BIANCA LANCIA」の色は“麦わら色”。味わいはフレッシュでフルーティー、爽やかな酸味も特徴。ですが、軽い飲み口かというとそうでもなく、瓶内二次発酵をさせることで深みのある香りが生み出され、しっかりした厚みも感じます。
ローカルフードとペアリング!
恵比寿のローカルフードをテイクアウトしました。「NIGHT OWL」のすぐ近くにあるマーケット、えびすストア内のバインミー店「EBISU BANH MI BAKERY」へ。バインミーとはベトナムのサンドイッチ。このお店はサンドイッチ用のパンを生地から手作りして焼いています。
オーダーしたのは、ビールに合いそうなチョイスとして小菅さんに教えていただいた「豚肉レモングラス焼きバインミー」。バインミーの具材の、ダイコンとニンジンのなますの酸味と歯ごたえ、レモングラスの香りがするやわらかい豚肉の程よい脂に「BIANCA LANCIA」の爽やかな酸味や酵母感がよく合います!
気分に合うドリンクをテイクアウト、グラウラー購入も「NIGHT OWL」へ
「NIGHT OWL」のクラフトビールはレアなものが多く、ワインやサイダー、ノンアルコールのコンブチャと、その時々の気分に合ったドリンクをグラウラーフィルできるのも魅力。グラウラーを持っていなくても、プラカップやクラウラー(缶)でビールの持ち帰りができます。さまざまなブランドのグラウラーを一堂に集めて展示販売しているので、グラウラー選びに迷ったらまず行きたいお店。なんといっても量り売り専門店としてのキャリアが長く、小菅さんは頼れるアドバイザーです。
お気に入りのグラウラーを手に入れたら上手に活用したいですね。仕事帰りに酒販店やブルワリーに立ち寄りクラフトビールをお持ち帰りして、家飲みを楽しみましょう!
※ご紹介したビールは取材当日のラインナップで、商品は随時入れ替わります。
【関連サイト】「Liquor Shop NIGHT OWL」
「Liquor Shop NIGHT OWL」公式インスタグラム