【阿佐ヶ谷】モルトのお酒専門通販「モルスト」の中の人に聞く！グルテンフリーもジャケ買いも◎人気ブルワリー3選

クラフトビールの通販サイトを利用したこと、ありますか？　サイトは数々ありますが、せっかく造り手のこだわりが詰まったクラフトビールを買うなら通販サイト選びにもこだわりたくなりますよね。そこで「My CRAFT BEER」編集部はクラフトビール専門通販サイトを運営する「中の人」に取材。どんな店主がどんな思いでビールを販売しているのか、深堀りしてレポートします。

今回お話をお聞きしたのは、モルトのお酒専門の通販サイト「モルスト」の坂本貴洋さんです。創業から10年以上経つお店のストーリー、新たにはじめたギフトセットの内容、人気ブルワリーの紹介やペアリングの提案も！

「Stone IPA」の衝撃！クラフトビールの専門店をオープン

「モルスト」は、モルト（麦）を原料にしたお酒の通販サイト。クラフトビールやウイスキーの専門ショップです。実店舗は東京・阿佐ヶ谷のビアバー「STONE」の一画にあります。

東京・阿佐ヶ谷にあるビアバー「STONE」（左写真）の店内に、ボトルショップ「モルスト」がある。「モルスト」のシンボルはアフロヘアのキャラクター

「モルスト」を運営する株式会社HenDrix代表取締役社長・坂本貴洋さんは、前職でシングルモルトウイスキーやベルギービールを出すバーの店長をしていました。いつか独立したいと考えて自分の店のコンセプトを模索していた時、あるお客様からクラフトビールの話を聞き、それから国産のクラフトビールを飲み歩くように。当時働いていた店でクラフトビールを出してみるなかでアメリカ・カリフォルニア州のブルワリーStone Brewingの「Stone IPA」に出会いました。

Stone Brewingのクラフトビールは今も「モルスト」で常時取り扱っている

「ものを飲んだり食べたりする時に、意図的ではなく自然に言葉が出る時があるじゃないですか。『Stone IPA』を飲んだらそんな感じで、“うまいな”とぽろっと言葉が出ました。それまで飲んでいた国産のクラフトビールと違って強烈で、衝撃的な味で。僕は香草類やエスニックフードが好きなので、この草っぽい感じ、いいなと」（坂本さん）

その時飲んだのは、Stone Brewingの定番商品「Stone IPA」のほかに「Ruination IPA」、「Arrogant Bastard」の3種類。「3つ飲んだら全部違う味わいで全部うまい。これを常に提供できるお店を出そうと思いました」と坂本さん。ブルワリー名をそのまま店名にして、2011年、シングルモルトとクラフトビールのお店「STONE」をオープンしました。しばらくして酒販免許も取得。ボトルショップと通販サイト「モルスト」をスタートさせ、それから約10年、営業を続けています。ちなみに「モルスト」は、モルトと「STONE」を掛け合わせたネーミングです。

海外のブルワリーをメインにした品ぞろえ

オープン当初は国産のクラフトビールも扱っていましたが、現在はほぼほぼ海外のクラフトビールに特化した品ぞろえ。アメリカの商品も充実していますが、世界各地のブルワリーを網羅しています。

「今は、イギリス、ヨーロッパのビールほうが、ちょっと好きです」（坂本さん）

商品は国別、ブルワリー別、スタイル別でカテゴライズでき、好みのフレーバーで検索できるのも特徴。オレンジ、カシス、ストロベリーなどのフルーツフレーバーや、コーヒー、ナッツなどの味わいでもビールを分類できます。

商品の入荷情報はSNSのほか、LINEの公式アカウントでも発信中。2022年2月現在、LINEで新規友達登録すると「お友達登録クーポン」が付いてくるのでお得です。

バレンタインギフトも！クラフトビールのシーズナルな贈り物

「モルスト」では、贈答用のラッピングのオーダーが頻繁にあるそう。そこで、2022年のバレンタインシーズンから、ビールとグッズを組み合わせた「プチギフトセット」の販売を開始しました。

2022年のバレンタインギフトの内容は、クラフトビールと、吉祥寺の焼き菓子店「SREAMY」のクッキー3種、またはSpiegelau製のIPAグラスを組み合わせたセットで、全9種類の展開。定番のIPA、グルテンフリーのビール、チョコレートを使ったビールなど、ビールのラインナップも豊富です。

プチギフトは今後も継続していく予定で、ホワイトデーやサマーギフトなど、シーズンごとに新たな商品がリリースされます。ギフトに迷ったら、選択肢の1つとして検討してみては？

自分用でも贈答用でも、通販サイトを利用するときには、支払方法や配送会社のチェックも大事。「モルスト」の概要は以下の通り。詳しくは記事の最後にリンクする「モルスト」のサイトで確認してください。

「モルスト」配送・支払等概要
配送：ヤマト運輸（クール便）
発送：在庫がある商品は、注文・決済完了から3～5営業日で発送。※北海道・沖縄・九州は、配送までに2日要。着日指定は決済後3営業日以降の選択が可能（オーダーフォームの選択欄からセレクト）、時間帯指定も可能。
支払方法：代引き、銀行振込、郵便振替、クレジットカード払い（VISA、MASTER、JCB、AMEX、Diners）、コンビニ（番号端末式）・銀行ATM・ネットバンキング決済、楽天ペイ、ネットバンキング決済、PayPay（オンライン決済）
会員登録：会員登録しなくてもオーダー可。会員登録すると、お買い上げ金額100円ごとに1ポイント発行。ポイントは次回以降の買い物に使用可能。

「モルスト」で人気の3ブルワリー、店主の推しビール

では「モルスト」で人気のブルワリーをご紹介いただきましょう。取材当時「モルスト」に在庫があったビールの中から、3ブルワリー・各2銘柄の推しビールを、坂本さんがピックアップしてくれました。

スムーズで繊細な味わい、英国Burnt Mill Brewery

「モルスト」の人気ブルワリー1つ目は、Burnt Mill Brewery（バーントミルブルワリー）。イングランド東部の自然あふれるエリア、サフォークで2017年に開業した醸造所です。ヘッドブルワーのソフィー・ドゥ・ロンドさんはグルテンアレルギーがありますが、研ぎ澄まされた感覚を活かし、英国エールビールの伝統と現代の感性を融合させたビールをリリースしています。「Steel Cut」は大麦の代わりにたっぷりのオーツを使用した、グルテンフリーのペールエール。使用するホップを替えて醸造されるシリーズ“Constellations Series”の「Cassiopeia」はCitra, Amarillo, Meridianなど6種類のホップを使用したニューイングランドIPAです。

「うちで一番人気があって売れているブルワリーがイギリスのBurnt Mill。僕も気に入っています。今、店で扱っているBurnt Millのビールは20種類弱ぐらいあるんですけれど、どれもスッキリして飲みやすい、喉に入れてつっかえないスムーズな味わいのものが多いと思います。それに、ジャケットが抒情的で綺麗。値ごろ感も良いですね。
最近グルテンフリーの商品が注目されていますが、グルテンフリーのビールって、あんまりおいしくないなと思うことが多かったんです。でも、Burnt Millは違う。『Steel Cut』はグルテンフリーのペールエールで、すごくおいしいです。『カシオペア』はニューイングランドスタイルですが、ドロドロに濁っているという感じではなくてライトな感じ。お水がきれいなのか、やわらかい感じがします。繊細な味わいです」（坂本さん）

ジャケ買いも◎デザート系ビールが人気のBrewski

次にご紹介いただいたのは北欧のBrewski（ブリュースキ）。スウェーデン南部の港町ヘルシンボリで2016年に創業したブルワリーです。果物をふんだんに使ったビールを多くリリースしているのは、エリア的にクオリティの高いホップの入手が難しかったから。フルーツの組み合わせが楽しめるパイシリーズが人気で、「Rhuberry Pie」はラズベリー、ブルーベリー、ルバーブを使ったヴェルリーナヴァイセ。「Yellow Robot」は、DIPAの「Red Robot」に続くロボットシリーズです。

「Brewski はデザート系のビールのリリースが多いです。パッケージがかわいい！缶は330ml入っているんですがちょっと細身で、昔のコカ・コーラの250ml缶みたいな感じ。ビールが苦手な人とかクラフトビールを飲んだことがない人に、とっかかりとして、こういう面白いビールもあるんだよと知ってもらうのにいいんじゃないでしょうか。いろんな種類を買ってシェアして、ワイングラスに注いで飲んでほしいです。『Rhuberry Pie』はベリーを使った、酸味のあるヴェルリーナヴァイセ。『Yellow Robot』はIPAで、そんなに苦味が強くなく飲みやすいです。Brewskiはインペリアルスタウトも人気。スウェーデンはリコリス（甘草）を良く使うみたいで、リコリスを使ったビールもおいしいですね」（坂本さん）

安心安定の味わい、定番中の定番Pizza Port

「モルスト」で人気のブルワリー、最後はPizza Port（ピザポート）。1987年、サンディエゴ郡ソラナビーチでピザショップとして創業し、1992年にクラフトビールの醸造をスタートしたブルワリー。現在はサンディエゴを中心に、南カリフォルニアに5カ所のブリューパブを展開しています。「Swami’s」はPizza Portのフラッグシップ。クラシカルなウエストコーストIPAの味わいをそのままに、ホップのさわやかな香りが心地よくスッキリと飲みやすい仕上がり。「Travel Perks」は4種類のホップとハウス酵母を使った期間限定醸造のドライなIPAです。

「うちで安定的に売れているクラシカルなビールは、Stone Brewing『Stone IPA』、Green Flash 『West Coast IPA』、Ballast Point『Sculpin IPA』……それと、Pizza Portのビールです。いつ飲んでも何を飲んでも、安心安定でおいしいのがPizza Port。コストパフォーマンスも良く、おすすめしやすいです。1人で1ケース買っていくお客様もいらっしゃいますね。看板のIPA『Swami’s』は、『Stone IPA』ほど強烈じゃないですけれど苦味もあって、グレープフルーツ的な柑橘系の要素があって、のど越しが良く、ごくごく飲めるIPAです。『Travel Perks』は期間限定醸造のIPAで、オーツ麦を使っているので口当たりがちょっとやわらかいです。Pizza Portのビールは全般的に後味がドライでキレがいい。それは『Swami’s』も『Travel Perks』も一緒ですね」（坂本さん）

ビールと食べ物との相性についての考え方

「モルスト」的おすすめペアリングについてもお聞きしてみました。坂本さんは基本的に、ビールと食べ物との組み合わせはラフに、自由に楽しんだ方がいいと考えています。

「今、阿佐ヶ谷のバー『STONE』では、ハンバーガーやポテトなど、ビールに合う鉄板メニューをメインに提供しています。このハンバーガーに合うビールはどれ？とお客様に聞かれることもあるんですが、ハンバーガーだったらどのビールも合うんじゃないかと僕は思ったりします。むしろ、そういう時はお客様のビールの好みをお聞きしますね」（坂本さん）

「一方で……」と、坂本さんは続けます。例えば、サンディエゴ周辺で生まれたウェストコーストIPAならば、メキシコに程近いロケーションにあるサンディエゴ現地で良く食べられているタコスやチリコンカン、チリやプルドポークののったポテトなどが「マリアージュ、というのとは違うと思いますが、合うんじゃないでしょうか」（坂本さん）。

そして、個別のビールを例に挙げて楽しみ方を提案してくれました。

「バレルエイジ系のビール、例えば今在庫があるものでは、ケンタッキーバーボン樽で寝かせたFounders（ファウンダーズ）のビールKentucky Breakfast Stout（KBS)。こういうビールは足のないグラスに注いでちょっと温めながら味わいを開かせて飲みたいです。単体で飲んでもおいしいですが、カカオの強いチョコレートなんかを一緒に食べると、ビールの甘味や旨みが引き出されますね。酸味が強かったり、カカオの含有量が違うチョコレートを食べ比べて遊ぶっていうのは面白い。そういう中でビールとのマリアージュは見つかってくるかもしれません。アルコール度数が12％あるので、1人で飲むより誰かとシェアして楽しむとちょうどいいと思います」（坂本さん）

「『New Atlantis』はModern Times（モダンタイムズ）のサワーエールです。最初に飲んだ時は単純にすっぱくて、ちょっと乳酸っぽいというか発酵臭が際立っていたんですが、こういうビールは寝かせるとカドが取れて丸みが出たりするんで、もう3年ぐらいかな、寝かせているんです。賞味期限は2023年。飲み頃はあると思うんですが、まだ寝かせてもいいかもしれないです。このビールには発酵と発酵の組み合わせで、たぶんウォッシュ系のチーズなんか合うと思うんですね。ドライフルーツも合うんじゃないかと思います」（坂本さん）

もっと、クラフトビール愛好者を増やしたい

10年以上前からクラフトビールを取り扱ってきた坂本さん。クラフトビールを取り巻く環境はこの10年で大きく変わってきた、と振り返ります。

「店をはじめた頃は、アメリカだと西海岸のビールしか日本に入ってきていませんでした。今ではいろんなインポーターがどんどん新しいビールを入れてきて、飲み手よりビールの種類の方が多いくらい。日本の人たちがもっとクラフトビールを飲んで、もっと消費が増えてほしいなと思うんですけれどそれがなかなか……。入ってくる種類に対して、お客様が広がっていないというのが、感想としてあります」（坂本さん）

もっと広く、多くの人たちにクラフトビールを知ってもらおうと、通販サイト「モルスト」のビールの説明はなるべくわかりやすくし、見やすいデザインを心掛けているとか。クラフトビールは何を選んだらいいのかよくわからないなと感じている方がいたら、ぜひ一度「モルスト」のサイトを訪れて、まずは坂本さんの推しビールをチェックしてみてください！