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ビールに合わないはずがない!【石神井公園】Welders Diner、モルト入りバンズのバーガー×音楽

ハンバーガー

音楽好きの店主と鉄作家のオーナーが営む、東京・石神井公園のカフェダイナー「Welders Diner」では、月イチのイベント「Burger,Beer&Music」でクラフトビールにベストマッチなハンバーガーを提供中。このバーガーのバンスには、ビールに合わないはずがない、ある素材が使われていました……

国内外のクラフトビールが楽しめる、石神井公園「Welders Diner」

東京都練馬区、西武池袋線石神井公園駅から徒歩5分ほどのロケーションにある「Welders Diner」(ウェルダースダイナー)は、国内外のクラフトビールとアメリカンカジュアルフードが楽しめるカフェダイナー。

外観
「Welders Diner」は、都立石神井公園からも至近
店内
店内外には、「Welders Diner」オーナーで鉄作家のMINORI IMAI ironworksさんの作品が

「Welders Diner」代表の岩下祐亮さんは、IPA(はじめて飲んだのはおそらくBrew Dogの「PUNK IPA」だそう)を飲んでクラフトビールにハマり、2017年のオープン当初からお店でクラフトビールを提供してきました。ドラフトは岩下さんがセレクトした国内外のビールが常時5TAPつながり、パッケージ商品も充実。フードは、ジャークチキンやプルドポークのサンドイッチ、旬の食材を使った一品料理など、ビールに合うメニューがそろいます。

店内
「Welders Diner」代表の岩下祐亮さん
店内
缶・ボトルビールは店内でも飲めて、テイクアウトも可

月イチイベント「Burger,Beer&Music」!

岩下さんは音楽好きでもあり、店内にはCDやアナログレコードがあふれています。「Welders Diner」では音楽を聴きながらクラフトビールとハンバーガーを楽しむイベント「Burger,Beer&Music」を企画。2022年3月20日に初開催された「Burger,Beer&Music vol.1」では、DJ k5さんが店内を盛り上げ、大人気のハンバーガーは12時からオーダーを受け付けて、早々に売り切れてしまったとか。

店内
「Burger,Beer&Music」は、月イチペースで開催が予定されているイベント
店内
店内にDJブースが設けられ、音楽が楽しめる。vol.1ではDJ K5さんがプレイ

イベント当日に提供されるハンバーガーは通常メニューにはない特別な一品。バンズは特注品で、クラフトビール醸造の際に出るモルト粕(麦芽粕)をアップサイクルしているんです。

ハンバーガー
人気のハンバーガー「Welders Original」、バンズはモルト入り! 麦の香りや風味が活きた全粒粉のパンのような味わい

バンズは特注、モルト入り!ビール片手にかぶりつきたいスペシャルなバーガー

モルト粕は、ビール醸造の過程で麦芽から麦汁を造り、ろ過した後に出る絞りかすです。産業廃棄物として捨てられるケースも多いですが、実は栄養価も高く、食材として活用できる素材です。

バンズ
Distant Shores Brewingのモルトを使ったバンズ。食感はふっくらやわらか。モルトの風味がしっかり活きた味わい

バンズに使っているのは、お店と近いエリアにある東村山市のブルワリーDistant Shores Brewingのモルト粕。バンズを焼いているのは岩下さんとSNSでつながった西東京市・保谷のベーカリー「JOURS」(ジュール)さんで、試行錯誤の末、モルト粕を20%配合して仕上げています。

シェフ
「Welders Diner」シェフ、澤部さん
調理

パティはビーフ100%。つなぎは使わない
調理
フィリングは「とにかくシンプルに」(岩下さん)。できるだけ素材を楽しんでもらえる設計に

「Burger,Beer&Music vol.1」で提供されたバーガーは3種類。スタンダードな「Welders Original」、チーズがプラスされた「Cheese Burger」、ランチメニューなどで人気のプルドポークを使った「Pulled Pork」。それぞれ、モルト入りのバンズで「Welders Diner」シェフの澤部さんが調理したフィリングをサンドしています。この日は「Welders Original」をオーダー。パティはつなぎなしのビーフ100%。たっぷりのレタス、厚切りのフレッシュなトマト、ローストしたオニオンと、野菜もボリューミー。シェフの味付けは塩コショウのみで、お客様が好みでケチャップとマスタードをかけてかぶりつきます。

ふっくらやわらかく、それでいてモルトの風味や色合いが感じられるバンズに、肉感あふれるパティやフレッシュな野菜を挟んだハンバーガー。クラフトビールに合わないはずがない! もちろん、ビールもオーダーしました。

注目ブルワリーのビールが5TAP

取材当日につながっていたのは、Passific Brewing、伊勢角屋麦酒、忽布古丹醸造、京都醸造、Marca Brewingの国内5ブルワリーのビール。バーガーに合わせて選んだのは、2021年に茅ケ崎で開業したブルワリーPassific Brewingの定番ラガー「Passific Lager」。

店内
「Welders Diner」では、5TAPのドラフトを提供
ビール
Passific Brewingの定番の1つ「Passific Lager」
ビールとハンバーガー

「Passific Lager」は、Passific Brewingが気合いをこめて醸造した「本気のラガー」(Passific Brewing『note』より)。煮沸を何度も繰り返す“デコクション法”という伝統的な製法で麦芽の味わいを引き出しつつ、モダンなホップ使いで仕上げたラガービールです。特別なバンズで造られたハンバーガーに、本気のラガー。ベストマッチな組み合わせでした。

地元のイベントから始まったアップサイクルの取り組み

そもそも、岩下さんがモルト粕のアップサイクルに関心を持ったのは、練馬区光が丘で定期的に開催されているイベント「サステナブルマーケット」に参加したことがきっかけでした。このイベントは、“まちで愛されるお店”がサステナブルというテーマのもと集まり、地域のことや環境のことを考える、というコンセプトのマーケットイベントで、「Welders Diner」はこれまで、マイボトルやマイグラウラーでのビール量り売りショップを出店してきました。

イベント会場
練馬区・光が丘で定期的に開かれる「サステナブルマーケット」(写真は2022年3月13日の様子)。イベントを企画・運営しているのは石神井で活動しているサステナブルな暮らしの実験場「R(アーーーーール)」

活動を続ける中で、ビール醸造で出るモルトのアップサイクルの話題がたびたび出るようになりました。都内のマイクロブルワリーのブルワーたちがモルトの活用法について悩んでいると知り「何かできないか、と始めました」と岩下さん。

ハンバーガー

「Burger,Beer&Music」は2022年4月17日にvol.2 の開催が決定。今後も月イチで第3日曜日に開催していく予定です。

ちょっと残念なのは、次回のイベントではモルト入りバンズが準備できなくなったこと。「ブルワリーの醸造日程と店のスケジュールが合いませんでした。この辺りがモルトアップサイクルの難しいところの1つですね」(岩下さん)。モルト粕の活用は、入手のタイミングや運搬する人手・加工方法などかなりハードルが高いのが現実で、各ブルワリーがアップサイクルに一歩踏み出せないことの背景になっています。

でも、ベーカリー「JOURS」特注のバンズとvol.1からさらにブラッシュアップしたパティのハンバーガーは、もちろんクラフトビールとの相性◎。ぜひ「Burger,Beer&Music vol.2」に足を運んで、ビール×バーガー×音楽を楽しみましょう! モルト入りバンズのバーガーはこの先vol.3以降のイベントで再チャレンジする予定だそう。今後の展開にも注目です。

【関連サイト】
「Welders Diner」(公式インスタグラム)

【関連ページ】
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