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最高にホッピーなビールの頂上決戦!IPAの新王者に選ばれたブルワリーは?2023年はヘイジーの覇者も決定

プラスアルファチャンピオンシップ2023

東京・代々木のビアパブ「Watering Hole」(ウォータリングホール)で、ホップフォワードな国産クラフトビールの頂点を決定する大会「プラスアルファチャンピオンシップ2023」(+Alpha Championship、プラスアルファ選手権)の選考が行われました! 今年はどのブルワリーが王者に輝いたのか? 2023年12月17日に発表された審査結果をレポートします!

最高にホップフォワードな国産クラフトビールは? IPAの王者を決める戦い!

「プラスアルファチャンピオンシップ」は、“最高にホップフォワードな日本のIPA”を決めるコンペティション。今年はもっともバランスが良くて飲みやすい「ホッピービール」(Hoppy)と、もっともバランスが良く風味豊かな「ヘイジービール」(Hazy)、2つのカテゴリーでジャッジが行われました。

ルールと審査方法を解説しましょう。

プラスアルファチャンピオンシップ
「プラスアルファチャンピオンシップ」決勝審査・授賞式の会場、東京・代々木のビアバー「Watering Hole」

「プラスアルファチャンピオンシップ」のルール

「Hoppy」カテゴリーのルール
・60IBU以上のビールであること(IBUはビールの苦味を表す単位)
· 認可された商業醸造所で醸造されたビールであること
· 1醸造所につき1つのエントリーのみ可能

「Hazy」カテゴリーのルール
· 果物(果物の皮、ピューレ含む)は使用不可
· 認可された商業醸造所から提出されたもの(日本で製造された「ジプシー」ビールも応募可能ですが、その醸造所が独自の名前でも応募している場合は1件のみ)
· 1醸造所につき1つのエントリーのみ可能

以上のルールに基づきエントリーされたビールを審査します。ビアスタイルはIPAとDIPAが含まれますが、それらに限定はされません。発泡酒もエントリーすることができますが、副原料はフレーバーを際立たせない範囲の使用に限定されます。

プラスアルファチャンピオンシップ2023

「プラスアルファチャンピオンシップ」の審査方法

ビールはブラインドテイスティングで審査されます。

【予選】
ブルワー、バー業界のスタッフ、メディア業界、認定ビール審査員のジャッジによって予選が行われます。
風味、香り、苦味、飲みやすさ、バランス、そしてもちろんその強力なホップパンチに基づいて審査されます。
※予選でもっとも評価の高かったビールには、「ジャッジ賞」(Industry Judge’s Choice)が授与されます。

【決勝】
予選を勝ち抜いたトップファイナリストを選出。「Watering Hole」で2023年12月15日~17日の3日間開催されるブラインドテイスティングイベント参加者(一般のお客様)の投票で、1位の受賞者を選出します。

※詳しいルールや審査方法は「プラスアルファチャンピオンシップ」公式ページをご確認ください。

2023年の大会にエントリーしたブルワリーは「Hoppy」カテゴリーが12社、「Hazy」カテゴリーが13社。そのうち、専門家のジャッジによる予選を通過し、決勝審査に進んだブルワリーは各カテゴリー4社、計8社です。また、2023年大会で一般のお客様が提出したブラインドテイスティングのスコアシートは、計119票でした。

「プラスアルファチャンピオンシップ2023」決勝に進んだビールは?

「プラスアルファチャンピオンシップ2023」の予選を勝ち抜き、決勝審査に進んだ2カテゴリー計8種類のビールのラインナップは次の通り。

「Hoppy」カテゴリーのファイナリスト

A:伊勢角屋麦酒「Sailing Day」
B:Inkhorn Brewing「Buncho (#3)」
C:West Coast Brewing「Mosaic Mainline」
D:DevilCraft Tokyo Brewery「Furious Death Match」

プラスアルファチャンピオンシップ
左から、A:伊勢角屋麦酒、B:Inkhorn Brewing、C:West Coast Brewing、D:DevilCraft Tokyo Brewery

「Hazy」カテゴリーのファイナリスト

E:Craftrock Brewing「Stormy Dudes Festa Beer」
F:Tokyo Aleworks「Yoyogi Lazy Hazy」
G:Totopia Brewery「Spikyphobia」
H:DevilCraft Tokyo Brewery「Floating Castle」

プラスアルファチャンピオンシップ
左から、E:Craftrock Brewing、F:Tokyo Aleworks、G:Totopia Brewery、H:DevilCraft Tokyo Brewery

決勝審査(ブラインドテイスティング)に参加した一般のお客様の中には、A~Hのビールがどのブルワリーのものか予想していた方もいたかもしれません。リストを見て、予想と結果が合っていたか答え合わせをしてみてください!

結果発表!「プラスアルファチャンピオンシップ2023」、Hoppy、Hazyの王者は?

では、今年の結果を見ていきましょう! 

「Hoppy」カテゴリー第1位(Hoppy Champion)
West Coast Brewing 「Mosaic Mainline」(West Coast IPA)

アルコール度数:7.5%
使用ホップ: Mosaic, Cryo Mosaic, 702 Trial Mosaic

一般のお客様のブラインドテイスティングで選ばれた「Hoppy」カテゴリーのナンバーワンは、言わずと知れた人気ブルワリー、静岡・West Coast Brewingの「Mosaic Mainline」。West Coast Brewing初の試みという、Mosaicシングルホップで仕上げたIPA。ペレットホップの他に、ホップエキスも使用。

以下、2位は伊勢角屋麦酒「Sailing Day」、3位はInkhorn Brewing 「Buncho (#3)」、4位はDevilCraft Tokyo Brewery「Floating Castle」でした。上位のビールはかなりの接戦だったそう。

「Hazy」カテゴリー第1位(Hazy Champion)
Tokyo Aleworks 「Yoyogi Lazy」(Hazy IPA)

アルコール度数:7.5%
使用ホップ: Idaho 7, Galaxy, Simcoe

「Hazy」カテゴリーのチャンピオンは、東京都板橋区のブルワリー・Tokyo Aleworksの 「Yoyogi Lazy」に決定。Idaho 7ホップをベースにして、GalaxyとSimcoeでドライホッピング。 缶商品のラベルには芝生で寝転がった男性のイラストが描かれ、“代々木公園でゆっくり飲みたい時に最強のヘイジー”がコンセプト。

以下、2位はDevilCraft Tokyo Brewery「Floating Castle」、3位はTotopia Brewery「Spikyphobia」、4位はCraftrock Brewing「Stormy Dudes Festa Beer」でした。

ジャッジ賞(Industry Judge’s Choice)
Craftrock Brewing 「Stormy Dudes Festa」(Triple Hazy IPA)

アルコール度数:8.5%
使用ホップ: Pahto, Citra Incognito, Bravo Salvo, Cryo Sabro, Cryo El Dorado, Cryo Mosaic, Citra

ビール業界のプロフェッショナルによる審査でナンバーワンとなったのは「Hazy」カテゴリーのビール。東京都中央区日本橋のブルワリー・Craftrock Brewingの「Stormy Dudes Festa」でした! Citra Incognitoなどリキッド系のホップエキスを使い、ドライホップには香気成分を凝縮したcryo(クライオ)ホップを多用して、アロマが濃厚。小麦麦芽やオーツ麦由来のなめらかな口当たりが特徴です。

Craftrock Brewingは「音楽とクラフトビールのカルチャーを繋げ、ミュージシャンをサポートするビールメーカー」をテーマに掲げるブルワリー。このビールは2023年11月に大阪で開催されたライブサーキットイベント「STORMY DUDES FESTA 2023」とのコラボビールです。

2023年も専門家と一般参加者との評価は分かれる

 
今回ジャッジ賞に選ばれたCraftrock Brewingのビールは、テイスティングイベント参加者の評価では「Hazy」カテゴリーの4位。前回に続き今回も専門家と一般参加者との評価は分かれました……。

プラスアルファチャンピオンシップ
プラスアルファチャンピオンシップ
2023年のプラスアルファチャンピオンシップ「Hazy」の第1位、Tokyo Aleworks「Yoyogi Lazy」。ブラインドテイスティングした後に単体でじっくり飲むと、また違った味の印象が

「プラスアルファチャンピオンシップ」は、一般のビール好きが気軽に参加できる大会。次回開催の際はぜひテイスティングに参加しましょう! 自分がおいしいと感じたビールを専門家たちはどう評価するのか、比べてみるのも一興。どのブルワリーのビールか推測しながらのブラインドテイスティングも楽しめます。

2023年12月19日現在、「Watering Hole」では「プラスアルファチャンピオンシップ2023」の決勝に残った8つのビールをタップに繋いでいます。早々に撃ち抜きとなることが予想されるので、ファイナルを戦ったビールを味わってみたい方は早めにお店へ!

そもそも、プラスアルファチャンピオンシップとは? その由来

最後に、「プラスアルファチャンピオンシップ」の由来をご案内。そもそも「プラスアルファチャンピオンシップ」とはどんなイベントなのでしょうか。

このイベントは、アメリカで行われているクラフトビールのコンペティション、「アルファキングチャンピオンシップ」に着想を得た大会です。「アルファキングチャンピオンシップ」が始まったのは20年以上前。究極のホップフォワードビールを見つける目的で開催され、アメリカ国内のIPAの王者を決めるイベントとなっています。業界内で大会の評価が高く、実力のあるブルワリーのステップアップにもつながってきました。

「プラスアルファチャンピオンシップ」は、その「アルファキングチャンピオンシップ」のいわば日本バージョン。日本で最高にホッピーなビールを決定し、業界全体を盛り上げようと開催されています。

【プラスアルファチャンピオンシップ2023 大会概要】
会場:「Watering Hole」(東京都渋谷区)
主催:+α実行委員会
運営:EverGreen合同会社
協賛:ヤキマチーフホップ
Watering Hole
JAPAN BEER TIMES
TRANSPORTER
BET Co, Ltd

【関連サイト】
「プラスアルファチャンピオンシップ」 公式ホームページ

【関連ページ】
2021年プラスアルファチャンピオンシップレポート、IPAの王者が決定!日本一ホッピーなビールを決める頂上決戦の覇者は?

IPAの王座を手にしたのはあのブルワリー!日本一ホッピーなビールを決める頂上決戦、2022年の新たな覇者は?

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のび子

日本文化にまつわる分冊百科の編集担当を経て、料理専門誌編集部へ。食のサステナビリティ、クラフトビールが生み出す地域のコミュニティ・資源循環を取材。超少食だが酒はわりと強い。

よなよなの里