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ビール麦芽粕活用の現在地、おいしいアップサイクルフードそろってます!【世界食料デー】

麦芽粕アップサイクル

毎年10月16日は「世界食料デー」。世界の食料問題を考える日として国連が定めた記念日です。10月は「世界食料デー」月間として世界各地で飢餓や食料問題に関連したイベントが行われます。

フードロスは日本でもたびたび話題になる食料問題の1つ。クラフトビールとフードロスなんて全然関係ないと思いきや、そんなことはありません。「世界食料デー」にちなんで、ビールの麦芽粕を活用したおいしいフードを4アイテム紹介します!

ビール醸造で生まれる麦芽粕をおいしく食べる!

ビールの醸造で生まれる副産物・麦芽粕(モルト粕、ビール粕)は畑の堆肥や家畜の飼料に活用される一方、特に都市部のブルワリーでは運用上、産業廃棄物として捨てざるを得ないケースがあります。

麦芽粕アップサイクル
ビールを造るために麦芽から麦汁をとったあと、その搾りかすとして生まれる麦芽粕

麦芽粕は栄養価が高く、工夫すれば十分に活用できるポテンシャルのある素材。今回はブルワリーやブルワリーと企業のコラボで、麦芽粕を食材にアップサイクルした商品をまとめてご紹介。
※アップサイクル=捨てられるはずの素材に付加価値を持たせ、新たな製品に生まれ変わらせること

ラインナップは……
【株式会社スぺサン】「whoop」
【一粒万倍グラノーラ×IN THA DOOR BREWING】「モルトクラッカー」
【VOYAGER BREWING】「グラノーラバー」
【ピッツァカーポリーナ×Bright Blue Brewing】「FUJISAN ビスコッティ」

おいしいアイテム、そろってます!

【株式会社スぺサン】ついつい手が伸びる“ジャンク”なクッキー「whoop」

「whoop」(フープ)は大ぶりのチョコレートやナッツ、フルーツやスパイスと、ビールの麦芽粕とを組み合わせたクッキー。オリジナルウェディングなどを手掛ける株式会社スぺサンの商品で、コンセプトワードは“サステナブルジャンク”。クッキー生地には都内のクラフトビールブルワリーから譲り受けた麦芽粕を25%以上使用。ついつい手が伸びてしまうジャンクフードの魅力を、アップサイクルした素材で実現しました。

麦芽粕アップサイクル
“ジャンク”なおいしさのクッキー「whoop」。バケツ型のパッケージがかわいい!
写真:whoopプレスリリースより
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写真左は「Double Chocolate Chunk」。新フレーバーも続々登場

フレーバーは、大ぶりのチョコレートチャンクと素焼きのアーモンドをトッピングした「Double Chocolate Chunk」、ホワイトチョコレートとラズベリー、カシューナッツの「White Chocolate Raspberry」、自家製マシュマロとピーカンナッツとシナモンの「マシュマロシナモン」、レモンソースと塩気のきいたココア生地、ピンクペッパーの「レモンソルティカカオ」。各フレーバ-が6個入ったセット(税込み2380円 ※2023年10月現在の価格)や、フレーバーをミックスしたセットも。

麦芽粕アップサイクル
クラフトビールとの相性も良い
各地のデパートや商業施設でポップアップを開催。写真は2023年夏「吉祥寺マルイ」での出店

「whoop」はクッキーの見た目やパッケージもかわいいので、ギフトに最適。「whoop」オンラインストアで販売しているほか、各地のデパートや商業施設でポップアップを開催しています。2023年10月12日(木)~25日(水)は、東京・渋谷の「渋谷スクランブルスクエア」イベントステージで期間限定ショップを営業中。

【販売サイト】
「whoop」オンラインショップ

【関連サイト】
「whoop」インスタグラム

【関連ページ】
ギフトに◎ビールの麦芽粕をアップサイクルした“ジャンク”なチョコクッキー「whoop」発売!

【一粒万倍グラノーラ×IN THA DOOR BREWING】おつまみにも、オードブルにも◎「モルトクラッカー」

兵庫県神戸市のグラノーラ専門店「一粒万倍グラノーラ」が製造販売する「モルトクラッカー」は、神戸のブルワリー・IN THA DOOR BREWINGの麦芽粕を活用したクラッカー。香ばしい風味とほんのりスパイシーな味わい、ザクッとした食感が人気で、取扱店が拡大中です。

麦芽粕アップサイクル
一粒万倍グラノーラ「モルト&マサラナッツミックス」(右)、「モルトクラッカー」(左)
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ザクッとした食感でほんのりスパイシー。小麦のクラッカーよりも食べ応えがある

商品は2種類の展開。「モルトクラッカー」は、麦芽粕のクラッカーのみをパッケージした商品。「モルト&マサラナッツミックス」は、14種類の香辛料をブレンドした”チャットマサラ”で味付けしたナッツ(アーモンド・カシューナッツ・クルミ)とレーズンの甘じょっぱい組み合わせに、モルトクラッカーをミックスしたもの。
※価格は販売店で異なるため、販売サイトで確認を。

2商品ともクラッカーにチャットマサラの味わいが移り、スパイシー。お酒のおつまみや小腹が空いた時のおやつにぴったり。クリームチーズやフムスなどをディップするのもおいしい食べ方です。生ハムなどと一緒にオードブルに添えれば、小麦粉のクラッカーよりも見た目的にも味的にもインパクトがあるかも。

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一粒万倍グラノーラ×信濃屋「モルト&マサラナッツミックス」

東京都を中心に食品スーパーや酒店を展開する「信濃屋」でも、信濃屋オリジナル商品として販売中です。

【販売サイト】
・「一粒万倍グラノーラ」ブランド商品
「一粒万倍グラノーラ」オンラインショップ
※神戸市・元町の「一粒万倍グラノーラ」実店舗でも販売。

・信濃屋オリジナル商品
「信濃屋」オンラインショップ
※一部実店舗でも販売

【関連サイト】
「一粒万倍グラノーラ」オフィシャルサイト
「信濃屋」オフィシャルサイト
IN THA DOOR BREWING オフィシャルサイト

【関連ページ】
これは“食べるビール”?【神戸】ビールの麦芽粕を使った「モルトクラッカー」、おいしさで広がるアップサイクル
クラフトビールの麦芽粕から生まれたモルトクラッカー!おつまみにもオードブルにも◎【信濃屋】で販売!

【VOYAGER BREWING】栄養も豊か、ビールに合うザクザク食感の「グラノーラバー」!

和歌山県田辺市のブルワリー・VOYAGER BREWINGは、2022年から、自社の醸造所から出る麦芽粕を使って「グラノーラバー」を製造・販売しています。

麦芽粕アップサイクル
販売開始後、地道に売れ続けている「グラノーラバー」(写真は東京八重洲「リカーズハセガワ北口店」店内)

VOYAGER BREWING「グラノーラバー」は麦芽粕の香ばしさとザクザクとした食感が楽しめて、サイズは手軽でも食べ応えがあります。メープルシロップの風味とナッツの味わい、ドライクランベリーの甘酸っぱさがアクセントに。合わせたいのはもちろんクラフトビール! なかでも、VOYAGER BREWINGの「COPPER」(コパー)は、カラメルモルトの香ばしさが「グラノーラバー」の味わいとベストマッチです。

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VOYAGER BREWING「COPPER」×「グラノーラバー」

しっかり栄養が補給できる“エナジーバー”としての機能もあり、おやつやビールのおつまみだけでなく、山登りやアウトドアでの携帯食、スポーツ時の栄養補給にもぴったり。

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VOYAGER BREWINGのタップルーム
写真提供:VOYAGER BREWING

VOYAGER BREWINGのタップルームではビールと「グラノーラバー」をペアリングして楽しむことができます。東京駅八重洲地下街のリカーショップ「リカーズハセガワ 北口店」でも、VOYAGER BREWINGのビールと「グラノーラバー」を販売中。そのほか、田辺市内・和歌山市内のショップで取扱いがあります。もちろん、VOYAGER BREWINGのオンラインショップでも購入可(※2023年10月現在・オンラインショップでの価格は税込み378円 )。

【販売サイト】
VOYAGER BREWING Yahoo!店

【関連サイト】
VOYAGER BREWINGオフィシャルサイト

【関連ページ】
ビールに合うザクザク食感のグラノーラバー!麦芽粕アップサイクルに取り組む【和歌山】VOYAGER BREWING

【ピッツァカーポリーナ×Bright Blue Brewing】アーモンドたっぷりの「FUJISAN ビスコッティ」

富士山を望む山梨県富士吉田市で薪窯焼きピザの移動販売をしている「ピッツァカーポリーナ」は、同じ富士吉田市のクラフトビール醸造所Bright Blue Brewingの麦芽粕を使って自家製のビスコッティ「FUJISAN ビスコッティ」を製造販売しています。

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富士吉田市のブルワリーBright Blue Brewing。氷室をリノベーションした建物に醸造所とタップルームが入居する
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「FUJISAN ビスコッティ」

「FUJISAN ビスコッティ」は麦芽粕の味わいや特徴を引き出したクラフトクッキーで、アーモンドたっぷり。丁寧に2度焼きされ、ザクッとした食感。ですが、硬すぎるということもなく、甘さもちょうどよくて1袋がすぐにカラに。Bright Blue Brewingのタップルームで販売しているほか、ふるさと納税の返礼品としてもセレクトできます。

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Bright Blue Brewingのタップルームで販売中(税込み800円 ※2023年10月現在)

【関連サイト】
ピッツァカーポリーナ オフィシャルサイト

Bright Blue Brewingインスタグラム

麦芽粕アップサイクルの現在地

ここ数年で日本国内のクラフトビールブルワリーの数がどんどん多くなっていく中で、麦芽粕を有効活用しようと試みるブルワリーが増えています。一方で、どれだけの麦芽粕が活用されているのか正確な数値はわからないものの、醸造で生まれる麦芽粕全体の量を考えると、何かしらの用途に利用できているのはわずかだという見解も。

「モルトクラッカー」を製造販売する兵庫県神戸市「一粒万倍グラノーラ」の板垣さんは、

「ものすごい量の麦芽粕の廃棄があるなかで、私たちが活用しているのは全体の0.0何パーセントくらい。アメリカでは、地域のブルワリーから麦芽粕を集めて再利用するシステムができているところもあります。本来は日本でも、もっと大きな仕組みをつくるのが一番いいと思うんですが、なかなか難しいですね。私たちはこういう取り組みをしていますと表明して、麦芽粕って実は食べられるんだ、おいしいんだ、ということを発信することくらいしかできないんです」

インタビューで語ってくれました。

アップサイクルに取り組む事業者や商品を知ることで、産業廃棄物やフードロスについて教わることが多くあります。「世界食料デー」月間を1つのきっかけにして、麦芽粕アップサイクル商品に注目してください!

【関連ページ】
KFBの廃棄パンビールを飲んで考える、ビールとフードロスと資源循環【世界食料デー】

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のび子

日本文化にまつわる分冊百科の編集担当を経て、料理専門誌編集部へ。食のサステナビリティ、クラフトビールが生み出す地域のコミュニティ・資源循環を取材。超少食だが酒はわりと強い。

よなよなの里