店主は元ビール嫌いの会社員!クラフトビール専門通販「HOP STAR」のストーリーと推しブルワリー3選!

「HOP STAR」ビール専門店

種類が豊富なクラフトビール。飲みたいビールがなかなか入手できない時に、頼みの綱になるのがビール専門の通販サイトです。サイトは数々ありますが、せっかく造り手のこだわりが詰まったクラフトビールを買うなら通販サイトもちゃんと選びたくなりますよね。

そこで、クラフトビール専門通販サイトを運営する「中の人」に取材。どんな店主がどんな思いでビールを販売しているのか、深堀りしてレポートします! 今回お話をお聞きしたのは「HOP STAR」(ホップスター)代表・山本豊さんです。そもそもビールが苦手だったという山本さんが一転、クラフトビールのショップを開いてしまった経緯は? 品ぞろえのこだわりや、店主が推す国内の新進ブルワリー3選もご紹介します!

ビール嫌いの会社員がクラフトビール専門店をオープン? 「HOP STAR」開業までのストーリー

「HOP STAR」は2021年5月にオープンしたクラフトビール専門店。国内外のクラフトビール約300種類を扱う通販をメインに、千葉市内の拠点で小売りの店舗も運営しています。

HOP STAR
「HOP STAR」代表・山本豊さん。オンラインでお話をうかがった

代表の山本豊さんは、もとはビールが大の苦手だったとか。

「ほかのお酒は普通に飲んでいたんですが、ビールだけはダメで。飲み会で『とりあえずビール』って、みんな最初の1杯にビールを頼む中で、僕1人だけハイボールを飲んでいたぐらい、ものすごく苦手でした」(山本さん)

店舗外観
千葉市にある店舗。ご近所の方がふらっと立ち寄ることも
写真提供:HOP STAR
店内
通販は約300種類、店内の冷蔵ケースには約150種類のビールをストック
写真提供:HOP STAR

そんな中、今から6、7年ほど前、出先でたまたま開催されていたビールイベントに立ち寄る機会がありました。山本さんはドイツ産のヴァイツェン(小麦麦芽を使ったビール)を飲み、量産ビールとは違う味わいをはじめて体験します。「バナナみたいなフルーティーな感じで。それまでビ―ルがまったく飲めなかったのに、その時は飲めたんですよね」(山本さん)。

イベントをきっかけにクラフトビールに興味をもちはじめた山本さん。その後、ある飲食店でヤッホーブルーイングのIPAを飲むと、それまで20年以上抱いてきたビールへの苦手意識や概念が完全に崩壊。「こんなにおいしいものがあったんだっていうくらい衝撃だったんです。それからはもう、自分の周りで手に入るクラフトビールをいろいろ探して」(山本さん)。ビール嫌いから一転、ビール沼にはまってしまい、住んでいた千葉市から保冷剤入りのリュックを背負って都内のクラフトビール専門店へ遠征し、ビールを買うまでになりました。

HOP STAR
「HOP STAR」のロゴ。店の名前について迷っているとき、「HOP STAR」の看板を掲げて店を出している夢を見て、そのまま店名に

一般企業の人事部に勤める会社員だった山本さんは、2020年のはじめ、今後の人生を考えて会社を退職。在職中からやってきた副業を続けながら、別の会社に転職するか、自分で事業を起こすか悩む中で、頭をよぎったのがクラフトビールのことでした。周囲にクラフトビールを買える店もないし、好きなことをやれるならやろうと決断。免許取得や仕入れ先の開拓など1年の準備期間を経て、クラフトビール専門通販サイト「HOP STAR」をオープンしました。

ビールは国内外からセレクト、新進マイクロブルワリーにも注目

「HOP STAR」は、山本さんが飲んでおいしいと感じたビールをセレクトして販売しています。オープン当初は比率的に海外9:国内1くらいで、海外のブルワリーをメインにした品ぞろえでした。しかし開業から1年と少したった今は国内ブルワリーのビールも扱いが増えているそうで、現状の比率は7:3くらい。その背景には、価格的に高価なものばかりにならないようにという配慮と、国内のブルワリーの躍進があります。

HOP STAR
「HOP STAR」のサイト。パステル調の色使いで、シンプルで見やすいデザイン

「ここ1年くらい国内でも新しい醸造所が増えてきて、すごくおいしいビールを造るブルワリーさんが多くなってきましたよね」(山本さん)

「HOP STAR」は、注目の新進国内ブルワリーのビールを積極的にラインナップ。山本さんはスタイル的にはヘイジー推しなので、特にヘイジーのセレクトには力が入っています。

早めの発送、おまけが付く場合も……通販サイトの特色

運用面の特徴は、13時までに注文・決済が確認できたオーダーについてはなるべく当日発送される点。地域によりますが、最短で注文の翌日に受け取れます。

ビール通販
「HOP STAR」から届いた商品。ビールは1本1本プチプチで包まれ、手書きのメッセージも。おまけのポップコーンは電子レンジで調理するタイプで、出来たてのタイミングを逃さず食べるのが◎

おまけとしておつまみが付いてくる場合も。今回実際に通販して届いた商品には、電子レンジで調理するポップコーンが同封されていました。

通販サイトを選ぶときには、支払方法や配送会社のチェックも大事。「HOP STAR」の概要は次の通り。エリアごとの送料等、詳しくは記事の最後にリンクする「HOP STAR」のサイトを覗いてみてください。

「HOP STAR」配送・支払等概要
配送:クール便(ヤマト便)
※20000円以上(消費税含む)購入の場合、配送料は無料。
発送:指定日無しの場合、決済が完了した時点から3営業日以内に発送。ただし、午後1時までに注文・決済完了が確認できたオーダーはなるべく即日発送(在庫のない商品を除く、発送休業日を除く)。
支払い方法:PayPay、クレジットカード決済、銀行振込、コンビニ決済、ネット銀行決済
会員登録:登録しなくてもオーダー可。会員には購入金額に応じてショップポイントを付与。
(2022年8月時点の情報です)

「HOP STAR」店主の推しブルワリー3選!

では「HOP STAR」で取り扱いのあるブルワリーから、山本さんの推しをご紹介いただきましょう。

ビール

「国内で最近開業されたブルワリーさんをメインに、おすすめしたいものを選びました。もともと人気のある、うちゅうブルーイングやWest Coast Brewing、BLACK TIDE BREWING、VERTEREとか、そういうブルワリーは言わずもがなということで。新しいものをいくつか紹介します」(山本さん)

金沢発、酵母にこだわるBREW CLASSIC

山本さんの推しブルワリー1つめは、2021年12月に開業した石川県金沢市のBREW CLASSIC(ブルークラシック)。ブルワリー名には「いつか”クラシック”と呼んでもらえるようなクラフトビールを目指す」という想いが込められています。ベテランのヘッドブルワーのもと、仕込みの度に自前で純粋培養した酵母を使用し、クラシカルなものからホッピーなもの、チャレンジングなものまで多様なクラフトビールを醸造しています。

BREW CLASSIC
取材時(2022年8月上旬)に「HOP STAR」に在庫があったBREW CLASSICの最新ラインナップ。左から「トニカクシムコダイブ」(Hazy IPA)「トニカクシトラダイブ」(Hazy IPA)、「バズソング ドッグディスコ」(DDH Pale Ale)、「Sottish Harlequin BarleyWine」(Barley Wine)
写真提供:HOP STAR
ビール
BREW CLASSIC「ウラタイガー ビバヘイズ」(Hazy IPA)
香りの成分が凝縮されたクライオホップ(Mosaic)を発酵後半と発酵終了時にダブルドライホッピング。ロンドン由来の酵母を使用し、トロピカルで超濃厚な味わい

「金沢にあるBREW CLASSICさんはブルワリーのオープン前からSNSで情報を見ていて、開業後、早速注文しました。ホップはもちろん、酵母にもすごくこだわられていて、毎回毎回ビールを造るたびに培養した新鮮な酵母を使用し、酵母の選択も大事にされています。すごくやさしい味わいのものもあり、苦みがガツンとくるものもあって面白いですね。
ジャケットのデザインは僕にとってビールを選ぶ要素の1つなんですが、お客様もジャケットで選ぶ方が多いんですよね。BREW CLASSICさんのビールはジャケットもすごく独特です。

最近飲んだものでおいしかったのは『ウラタイガー ビバへイズ』。まろやかで、飲みやすくて、ホップもすごく香って。最近飲んだヘイジーの中でも上位にくるくらい。BREW CLASSICのビールはお求めになるお客様が多くて、入荷しても商品がすぐなくってしまうんです。頻繁に新しいビールが発売されるので、今後も楽しみですね」(山本さん)

小学校の給食室が醸造所に!神戸・open air

2つめにご紹介いただいたopen air(オープンエア)は、神戸市兵庫区の湊山小学校跡地を活用したコミュニティ型複合施設「NATURE STUDIO」内にあるブルワリー。2022年3月に開業したばかりですが「ここのビールも入荷するとすぐに売れてしまう感じですね」と山本さん。ヘッドブルワーはアメリカ・オレゴン州ポートランド出身。給食室だった場所に醸造設備を構え、地元の水や産物を活かし、季節を感じられる“オープンエアにぴったり”のクラフトビールをリリースしています。

open air
open air 「shoreline」(Hazy ipa)
ホップの香りと味わいを凝縮したクライオホップ2種(Cryo Sultana, Cryo Pop)をはじめ計5種類のホップを使用したヘイジー。ブルワリーのSNSの投稿によれば「真夏のビーチバーのためのレシピ」。液色も味わいも超濃厚
ビール
open air最新ラインナップ(2022年8月上旬取材時)。左から「pitch side」(IPA)、「citrus path」(Pale ale)、「shoreline」(Hazy IPA)、「day trip」(Session Hazy IPA)、フラッグシップの「open air ipa」(Modern IPA)
写真提供:HOP STAR

「open airさんは今年できたばかりの神戸のブルワリーです。ジャケットが切り絵みたいな感じで、すごくシンプルですが目を引くし、かわいらしい。

Cold IPAというスタイルはブルワーさんによってラガー寄りだったりホッピーだったりするんですが、少し前に発売されたopen airのCold IPA『new worlds』は飲みやすかったですね。でもすぐに売り切れてしまいました。
僕はダブルでもトリプルでも濃いヘイジーが好きなのですが、アルコールはそんなに強くないのでがんがん飲めない。何種類も飲みたいときは軽めのものを飲んで、最後の締めに濃いヘイジーを飲むことが多いです。『day trip』はSession Hazy IPAで、軽めで飲みやすいです。

今、open airは週に1回は新しいビールを発売していますが、国内ブルワリーさんあるあるで、今後業者の間で争奪戦になって入荷できなくなることもあるかもしれません」(山本さん)

酒蔵系の醸造所がリブランディング、地元千葉のKankiku Brewery

山本さんの推しブルワリー3つめは、地元・千葉のKankiku Brewery(カンキクブルワリー)。明治期から営業している千葉県山武市の酒蔵・寒菊銘醸は、1997年から日本酒醸造の技術を活かしてクラフトビールを造ってきました。近年はリブランディングに取り組み、定番ビールのブランド名を「九十九里オーシャンビール」から「KUJUKURI OCEAN」にリニューアル。ブルワリー名は2021年にKankiku Breweryになりました。

kankiku brewery
Kankiku Breweryの「SAKEKASU SMOOTHIE」(酒粕スムージー)シリーズ。寒菊銘醸の酒粕を使った“ドロドロ系”クラフトビールで、スタイルはいずれもSake style sour smoothie。現在このシリーズは計3種のビールがリリースされている。「愛山」、「出羽燦々」(写真左)、「総の舞」(写真右)は原料となった酒米の名
kankiku brewery
Kankiku Brewery 「総の舞 SAKEKASU SMOOTHIE」
酒米「総の舞」の酒粕と、ピーチ・リンゴ・洋ナシのピューレが入ったビール(発泡酒)。フルーツの香りが豊かで、酸味があり、ドロドロ系な口当たり

「地元が千葉なので、最後に千葉のブルワリー・Kankiku Breweryを紹介します。『九十九里オーシャンビール』の名前は聞いたことがあるかもしれないですが、つい最近リブランドして新しいビールを出しはじめたんですよ。もともと歴史のある蔵元さんなのですが、日本酒醸造で出た酒粕を使ったビール「SAKEKASU SMOOTHIE」を発売しました。フルーツのピューレとかアイスクリーム、酒粕を混ぜて作った、濁ってドロッとした感じのビールです。フルーツのトロピカル感があり、なおかつ甘酒風な感じがちょっと奥の方にあります。これもお客様に人気で、お求めの方が多いですね。

この酒粕シリーズもすごく楽しみですし、今後もいろいろコラボが企画されているみたいなので、注目しています。地元の千葉で、こういったビールが飲めるっていうのは嬉しいです」(山本さん)

奥深いクラフトビールの世界を多くの人に知ってもらいたい! 実店舗も営業中!

通販のみではじまった「HOP STAR」は現在、月・水・金・土曜日の夕方限定で、拠点としている千葉市花見川区の店舗で小売りの営業をしています。お店にはクラフトビールを飲んだことがないご近所の方がふらっと立ち寄られることもあるとか。

店外観
写真提供:HOP STAR

「駅から離れていて場所的にも奥に隠れているので、予想だにしないところで店を見つけて入ってみたら、ジャケットの可愛さにテンションが上がってビールを購入される、というお客様もいます。自分がクラフトビールをはじめて飲んで衝撃を受けたような、そういった体験をしてもらえたらいいなと思います」(山本さん)

ビール

「周りに聞いてみると、クラフトビールって聞いたことはあっても飲んだことはないという人がほとんどなんです。それはある意味、将来性があるというか、まだ余地があるなと感じます。クラフトビールの奥深い世界をたくさんの人に知ってもらいたいし、そのきっかけをどう作っていくか、これからも考えていきたいです」と山本さん。ご近所の方はぜひお店へ。通販を利用したい方はまずインスタグラムの入荷情報をチェックしてみてください。今はビールが嫌いな方も、深い沼にはまってしまうかもしれません……。

【関連サイト】
「HOP STAR」

「HOP STAR」インスタグラム

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